こんばんは。

めんどりは、月一メンテナンスの臨床心理士さんの元に向かいました。

気がつきゃ10年近い関わりですが、10年近いからこそ出る話もあるわけで。

めんどりの立場も、臨床心理士さんも守秘義務が互いにあるので、ブログで明かせるのは氷山の一角です。

…めんどりのクライアントも、臨床心理士さんのクライアントも、発達障害と思しき大人が来るのは珍しいことではありませんが。

今回はその話題。

発達障害の大人が増えたって言い方はなんか違う、というやつで。

そもそも発達障害は生まれ持ったものだから、大人になって、発達障害になっちゃったというのはおかしいと。

めんどりは、クライアントが発達障害になっちゃったんです…って言うもんで、絶句したという話を臨床心理士さんにしたところ、臨床心理士さんも困惑しつつ…

…精神障害とか、高次脳機能障害なら、なっちゃったでしょうけどね…。僕も、似たような事言われて、発達障害は生まれ持ったもの…と言葉を飲み込むんですが…。

なんか違いますよね…と、ため息をつきます。

世の中に、発達障害という言葉がまん延したのは、ここ十年ぐらいだし。…めんどりは職業柄、それより十年ぐらい前から発達障害の概念は知ってますが。

ブログでも何回も書いてるけど、発達障害の大人が増えたというんじゃなくて、発達障害のカテゴリができて、そこに当てはまる者がいる、ってとらえ方なんだよね、本当は。

アラフィフのめんどり世代だと、高校進学ができず、高等専修学校に行ったけど、高等専修学校で取るべき資格や技能が身に付かず、卒業という名の放校で、どこにも就職できなかった…という人はかなりの確率で発達障害だろうなと。

あと、全日制課程に行けず、定時制や通信制高校に行ったけど中退した…ってのもクロかも。

辛うじて高校出たけど、就職できず、とか、専門学校行ったけど資格がとれず、退学…なんてのも微妙。

前にブログでも書いたけどね。

今の時代は、通信制高校を敢えて選択する子も多くいる時代だけど、アラフィフ世代のの定時制高校や通信制高校進学は、特別支援学校高等部を回避するためだった人もいるからね。

どの世代にも一定数いる発達障害ですが、三十代以上は療育を経験せずに、世に放たれてる可能性が極めて高いので、社会不適合者となってから発達障害と診断されることが多いです。

そもそも今の子どもたちだって、親が子どもの発達障害に気づいて療育に通う子がいる一方で、明らかに他の子と発達が違うのに、特別支援学校や特別支援学級に入れたくない、ってごねる親がいて、野放しの子がいるわけでしょ。

就学時健康診断の時や、就学指導委員会から、支援学校判定出てるのに、低学年のうちは…って一般学級に入れて、白衣のめんどりが見に来てこりゃあかーん、と白目を剥くのはよくあるし。

…めんどりは、臨床心理士さんに愚痴をこぼします。

…小学校入学前に、支援学校や支援学級判定が出る子って、その時点で義務教育以降の進路を真剣に考えて下さい、って意味なんですけどね…親は、低学年なら大丈夫って一般級に入れちゃうけど…低学年舐め過ぎですよ。

一年生で、ひらがなカタカナ全部やる。100までの数のたし算ひき算もやる。

…これさえクリアできない子を、二年生のかけ算、一二年生でやる漢字は240文字…

二年生が終わった頃には、取り返しが付かないほど差がついてることが大半なのに…

一二年生の学力なんて、ほっといても身につくって思ってる親は、自分が定型発達児だったからだし。大学まで行っためんどりだったら、義務教育レベルの学力は忘れることなく身についたまま、アラフィフに至るし。

でも、早いうちに発達障害の判定が出た子は、この時点で支援しなければ、年齢相応の知識はおろか、小学校の学力も危なくなると思った方がいいのに。

…入学前に支援学校や支援学級判定が出る子は、一生の中で獲得できる学力は、良くて小学校高学年程度と言われてるから、そりゃあ一年生や二年生の学習でも厳しくなるわけですよ。

なのに、保護者はわかってない…

臨床心理士さんが返します。

就学で支援判定されるまでひどくなくても、発達障害と早いうちから判定された子が、小学校レベルの学習内容を理解できないまま、義務教育を終えることになったら、その後の進路はかなり限られるし、実際に社会に出ても色々支障が出ますよね…

僕のところに来るのは、子どももそうだけど、親がその深刻さを理解してない、というか理解できない…

…先生、そういう保護者って私もそんな感じだったし、って平気で言いますよね。そう言われちゃうと、…だからあなたも発達障害認定されたんでしょ、って言いたいの必死でこらえますよ…

めんどりは、外の雨を眺めながらため息をつきます。

アラフォーの臨床心理士さんと、クライアントなアラフィフめんどりは、カウンセリングというよりも、対人援助職同士の愚痴大会になってしまいましたが。

そう。

子どもたちの中の、発達障害児の比率は上がってますが…

大人の発達障害は増えたとは言わず、発達障害のカテゴリに当てはまる者が発生しただけ。

…元々潜在的なものが、顕在化しただけに過ぎないわけで。

厄介なのは、発達障害の児童が療育でソーシャルスキルトレーニングをしたり、行政とつながったりして、社会の中に組み込まれながら生きづらさを軽減するのに対して、大人の発達障害の当事者は社会不適合者として、社会からはじき出されることでして。

社会からはじき出された人が貧困に陥るパターンだけでなく…

はじき出された人の子どもが発達障害を抱えても、適切な療育がされずに成人して、更に貧困の悪循環や世代連鎖になってるのが見えてきたことですよね。

めんどりは帰りの電車の中で、じっくり考えるわけですが、解決策なんて思い浮かぶわけがなく。

今日の雨雲のようにどんよりするわけです。

せめて休みのうちは楽しみたいと、空と若葉の映える写真を貼ってみましたが、コロナ第七波到来で、また出かけるのが億劫になりそうだ。

増えたという言い方は違う。