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幼い頃、アタシを育ててくれたママンの姉「かあちゃん」

宅地開発でアタシが育った家がなくなり、かあちゃんは住み慣れた土地を離れ、山のふもとのアパートで一人暮らししています。

育った家。

大好きだった二人の兄ちゃんとメイクばっかりしてて勉強が苦手な姉ちゃんに大事にされて育った家。

長男兄ちゃんは今東京にいて、長いこと会ってない。
次男兄ちゃんは40歳の時、離島から本島へ定期通院するための船の中で、持病の心臓の発作を起こし、亡くなりました。

両親は何故かアタシがかあちゃん家へ行くことをすごく嫌がり、大好きなみんなに会えなくて淋しかったです。

だから長男兄ちゃんが大学進学したときも会えなかった。
次男兄ちゃんが高校生になったときも会えず、結婚式も出席できず、お葬式も出席させてもらえなかった。
姉ちゃんの結婚式も出席できなかった。

だけど、時が経ち、かあちゃん家に行くことを許されて、姉ちゃんの旦那さんや子供には会えましたが、東京の兄ちゃんと、結婚して離島に行ってしまった兄ちゃんには会えないまま。
やーすーにーにーは亡くなってしまいました。


幸せの思い出でいっぱいのあの家が取り壊され、草ぼうぼうの更地になりました。
育った家がなくなるって、すごく悲しくて淋しかったです。

古い亜熱帯の家、寝るときは雨戸を全部あけて、蚊帳の中で寝たこと。秘密基地みたいでわくわくしながら、かあちゃんに添い寝してもらってお話してもらって幸せだったこと。
小さなお庭にかあちゃんが愛情いっぱいに育てた花がたくさん咲いて、その庭で遊んだこと。
離れのやーすーにーにーの部屋で、お友達のみんなに可愛がられて、マンガを読んだこと。
えっちぃ大人の本を見たこと。パチンコ台があって、それで遊んだこと。

みきにーにーのひざの上に座って、一緒にお勉強したこと。
(受験勉強の邪魔だったはずなのに、一度も邪険にされたことないの)
にーにーが勉強してるひざの上で、絵本でひらがなの勉強。

ねーちゃんが友達とメイクの話してる横で、口紅で落書きしたら叱られたこと。

かんしゃく起こして家中の手の届く場所にある食器を投げつけて割まくったこと。

お昼はかあちゃんと昼メロ見ながらのんびりご飯を食べたこと。
庭で飼ってたにわとりのえさやりがあたしの仕事。
それが食卓に上る日は、かあちゃんがしめて、アタシが泣きながら羽をむしり、泣きながら命を頂いたこと。残さず全部ちゃんと食べて、命をつなげさせてもらってると教えてもらったとこ。

大切な場所がただの更地になってた。
すごくショックだった。

かあちゃんの今のおうちは、かあちゃんがいるのに思い出なんてひとつもなくて。
ただただ年老いてやせ細ったかあちゃんがいて。
やーすーにーにーととーちゃんがお仏壇から見守ってて。
なんだか落ち着かなかった。

実家も老朽化が激しくて、建て替えを勧められてるんだけど、ママンがこばんでる。
みんなの帰ってくる場所だからと、不便な家で頑張ってくれてる。
でもいつかは、建て替える時がくる。
同じ場所に違う建物。

育った場所がなくなるよりはいいかもしれないけど。

なんだか、淋しすぎて言葉にできなかった。
かあちゃんとみんなと過ごしたあの家が懐かしい。恋しいです。