早苗「じゃあ、話聞いてくれる?」



直人「俺ならいつだって相手しますよ(笑)」



早苗「じゃ、ちょっと付き合ってよ🍺」



直人「いいけど、終電に乗り遅れんなよ」



早苗「わかってるー」




そういって、お洒落なお店でもなく



旧道沿いの居酒屋で2人で飲みだす



いつものことだ



そして決まって早苗は自分がどれだけ先輩のことを好きかを話し出す



一か八か当たって砕けろ



そういうと、その勇気はないと言う



けど好きなの、どうしたらいい?と



俺に言う



つまりは俺に背中を押してほしいと思ってるんだ



だから俺はわざと意地悪して



最後のひと押しはしてやらない




直人「そろそろ帰らないと」



早苗「えー、あー、うん。酔っ払った」



直人「見りゃ分かるよ」



早苗「直人んち行きたい」



直人「何しにだよ」



早苗「直人、先輩の高校生時代の写真、持ってるんでしょ?」



直人「だったらなんだよ」



早苗「見てみたいな」



直人「まー、いいけど、すぐ帰れよ。終電間に合わなくなるから」



早苗「りょうかーい!」





そう言って俺んちに転がり込む



これが初めてじゃない。



いつもそうだ



直人んちで、本がみたい、テレビがみたいって、



俺がどんな気持ちかも知らないくせに



全くどうしょうもないやつだぜ



部屋に上がるなり早苗の顔色がみるみるおかしくなった



直人「何?どした?」



早苗「気分悪い…」



直人「はあ?なんだよ、トイレ行ってこいよ!」



早苗「ごめん!!」



慌ててトイレに駆け込む早苗



しばらくバタバタしてたが、急に静かになった



直人「おい大丈夫かー!?」



早苗「大丈夫」







帰ってきた言葉に少し安心する



先輩にはこんな姿見せたことないんだろうな



俺には何でも話してくれるのに



どうしてお前は



俺の気持ちに気づいてくんないかな…