直人「なにやってんの?おまえ」



紬「な、なおちゃん!」



直人「なんでこんなとこいんだよ」



紬「なおちゃん…待ってたの」



直人「なんで?さっきまで会社いたじゃん」



紬「なおちゃん…あたし…」



直人「まて。話は明日聞くよ。」



紬「え?」



直人「なんで、こんな寒いのに、こんなとこで待ってんだよ!」



ポケットから取り出した缶コーヒーを



紬のほっぺたにペタっとくっつけてやった



紬「あちっ///」



直人「飲め!これ飲んで体温めろ」



紬「あ、ありがとう」



直人「送ってくよ」



紬「え?」



なんで? そんな顔してた



そうだな、今までの俺だったらあがってけよ



そう言ってただろう



けど、今の俺にはそんな余裕はなかった



部屋にあげてしまったらもう、今までの俺達じゃいられなくなる



そう思ったから



もう少し心の準備がしたかったんだ



ちゃんと向き合うためにも



少し時間が欲しかったんだ




紬の家は俺んちから歩いてそう遠くない



だからちょっとむくれた紬の手を引きながら



歩いて家へと向かった



直人「まったく、こんな冷てぇ手して、バカじゃないのかおまえは」



紬「なおちゃんの手、相変わらずちっちゃくて温かい」



直人「なんだ、それは褒めてんのか貶してんのか?」


紬「いい意味でだよ〜(笑)」



こんな冷たい手をして、いったいどんだけ待ってたのか…



送ってく間も、紬が言いかけたことをまた言い出さないように、なんとか話をはぐらかして、急ぎ足で歩いた



紬「待って、なおちゃん、早い〜」



直人「寒ぃから早く帰んなきゃ風邪ひくだろっ!」


紬「あ!雪?!」



直人「あ?本当だ!通りで冷えるはずだぜ」



紬「積もるかな〜」



直人「どうだろ?そこまでは降らないんじゃね?」




そうしてるうちに紬の家へと着いた




紬「ありがとうなおちゃん」



直人「おう。話があるならまた会社で。もう待ち伏せなんかすんな」



紬「うん…。なんか、最近なおちゃんおかしかったから気になっちゃって」



直人「だから、その話はまた今度。早く中入れ、おやすみ」



紬「うん、じゃあ…おやすみ。ありがとう」





ドアを開け、ピョコっと顔を出し手を振って



紬は部屋へと入っていった



部屋の明かりが灯る



俺はホッと胸を撫で下ろし空を見上げた



冷たい雪がピトっと頬にはりついた



なにやってんだ、俺…



逃げてどうすんだ、紬はちゃんと俺に向き合おうとしていたのに






紬「キャー!!」



直人「??紬?!」








外まで聞こえた紬の叫び声に



俺は慌てて紬の部屋へと向かった