志穂「なおちゃんだったの?」
直人「そうだよ」
志穂「そう…だったんだ…」
直人「明らかに様子がおかしいと気づいた友達が、宗介を引っ張りあげた。俺は溺れかけたおまえの腕を掴んで抱きかかえた。」
志穂「覚えてる。泣きじゃくる私を高く抱き上げて急いで波打ち際に運ばれたこと…」
直人「お兄ぃちゃんどこへ行くの?って俺にしがみつくおまえの手をギュッと握りしめることしかできなかった。」
直人「おまえのことが心配でならなかった。あの頃俺達も高校生だったし、大切な友人がいなくなるんてショックが大きすぎて…。ましてや大好きなお兄ぃが突然いなくなってしまったおまえは、どんだけ寂しかっただろうかと…」
志穂「なおちゃん…」
直人「けど、安心したよ。立派なレディーになってて。あの頃の俺達よりも年上だもんな。きっと宗介もおまえの成長を喜んでるよ」
志穂「私、なおちゃんのこと大好きだったよ」
直人「知ってるよ。何度も言って俺から離れなかったもん」
志穂「もし、今でも…」
直人「あいつ」
志穂「え?」
直人「あいつ心配してんぞ。自分のせいで志穂がパニックになったって」
直人「早く行ってやれ」
志穂「うん、わかった。ありがとう、なおちゃん」
危なかった
これ以上あいつと話していると
愛おしくて思わず
抱きしめてしまいそうで…



