あれから杏は何事もなかったように
みんなと普通に接していた
もちろん健二郎さんとも。
だから俺もあのことには触れないでいた
今日も夕飯後、リビングでみんなでくつろいでいた
ピンポーン♫
健「あれ?誰やろ、直人さんかな?カギ持ってへんのかな?」
カチャ!
梨々花「こんばんは」
健「あ〜、直人さんの!あれ?どうしました?」
梨々花「直ちゃんが待ち合わせに遅れそうだから、寒いから部屋入ってて、って。お邪魔しててもいいですか?」
健「あ、そうなんすね、全然、どうぞどうぞ」
杏「ん?だーれ?あ!梨々花ちゃん!」
健「直人さんが待ち合わせに遅れそうやから、先、部屋行っといてて」
杏「あ〜、なるほど、どうぞ〜どうぞ〜」
梨々花「すいません、また急に」
杏「いえ、全然♫女の子おって嬉しいし。コーヒー入れるね!直人さんのカップでいいね」
梨々花「あ、もう、おかまいなく🙏🏻💦」
健「いや、そんな遠慮せんと、な、杏?」
杏「アチッ!!」
健「なんや!!どないした!!」
梨々花「大丈夫ですか?!」
杏「熱いとこ触ってもーた!」
健「どれ!見してみー!」
杏「あー、大丈夫やて」
健「見してみーて、ほら!!赤くなっとるやないか!冷やさなあかん!」
杏「大丈夫やてーもうー。」
岩「ん〜?どしたー?なんかすごい声聞こえたけど?」
梨々花「きゃ(/ω\)」
岩「あ、あ、すいません/////。まさか来てるとは」
チラッとキッチンを見ると
杏の腕を掴んで、水で指を冷やしてる健二郎さんの後ろ姿…
岩「杏!どうかしたのか!」
杏「ちょっと熱いの触っちゃって💦」
健「保冷剤で冷やしといた方がええな」
健二郎さんが保冷剤をハンカチに包んで杏の指に押し当て、顔を近づけて傷の様子を見てる
少し戸惑ってる様子の杏…
健「もう、大丈夫やろ。大したことなくて良かったわ。相変わらずおっちょこちょいやのー杏は(笑)」
杏「アハハ、もう大丈夫。てか、岩ちゃん!梨々花ちゃん来てるのにその格好!」
岩「あ、わりぃ。服来てくるわ、すいません、梨々花ちゃん🙏🏻」
梨々花「いえ///私がまた突然来たりしたから…」
健「直人さんがちょっと待ち合わせに遅れるらしいから、うち上がっといてて」
岩「あ、なるほど。今日残業してたもんなー」
梨々花「今、忙しいみたいで」
岩「直人さんいないと会社回んないですから(笑)頼れる上司です、本当。」
杏「岩ちゃん!早く、服!」
岩「お、おう!」
健二郎さん…
健二郎さんは悪くない
けど、俺は杏の気持ちを考えると
とてもやるせない気持ちになった
あれじゃ…
好きになっちゃうよな