カチャ


直人「おかえり〜」


声だけはかけてくれるけど、直人は机に座ったままパソコンに書類を打ち込んでて
こっちは見てくれてない…


♡『うん…ただいま』


『ごめん、残業だから遅くなっちゃって。もうご飯食べたよね?』


「いいよ、いいよ、あるもの食べたから」


黙ってキッチンへ向かってコーヒーを入れようとしたら涙が溢れ出そうになった





すぐ泣くオンナは嫌いだから…



付き合う前に直人がよく言ってたから
泣かないオンナになったはずなのに…


「どした?」


パソコンを打ちながら直人が言う


『何でもない』






「何でもなくはないだろ」


パソコンを打つ直人の手が止まる




『あんたじゃ釣り合わないって言われた』


「…で?」


『直人の出世の邪魔になるだけだって』


「ふーん」


『あなたが来て直人はおかしくなったって』


「ぶっは!マジで?笑」



ダメだ涙が出ちゃう…







「ちょっとこっち来いよ!」


どうにか涙がこぼれ落ちないように直人の所へ向かった


直人はそんな私の腕を引きつけてギュっと抱きしめた


「そんなヤツの言うこと真に受けたんだ」


『そうなのかなって思っちゃった』


「俺がおまえを選んだんだ!信じてついてこいよ」



涙が流れ落ちたのを直人に分からないように
急いで拭った



「あと、泣きたい時は泣けばいい。オンナの武器みたいに泣いて甘えるのは嫌いだけど、男として頼られるのは嫌いじゃないんだ。」



「たまには俺に甘えてくれよ…」



そう言って私の頬に流れ落ちた涙を
中指の背でサッと拭って頭ごと私を抱き寄せた





私はふぅーっと深呼吸して


直人の胸で初めて泣いた…