「楓…いるんだろ?」



「楓?答えてくれ!楓なんだろ?」



返事が…ない…








そっと背中に感じるぬくもり…


間違いなくその気配は


楓なのに…


「楓…俺に会いに来てくれたのか?びっくりしないから、答えてくれ…そこにいるんだろ?」




楓《剛典…》


「やっぱり!楓なんだな!」


急いで振り向いたけど


そこに楓の姿はなかった


《剛典…》


声だけが俺には聞こえてるみたいだ


「どこにいるんだ楓!姿見せてくれよ!」


《あそこにまだいるの。待ってるから…》


あそこってなんだよ!?


どこのこと言ってんだよ!


…もしかして…


思い当たるのは、あの事故以来訪れていない


あの交差点だ


あそこに?まさか…







俺は慌てて外へ飛び出して


事故以来訪れていない


あの現場へかけよった


ここへくると悔しさが溢れて


どうしようもなく寂しさが押し寄せて


だから、ここへはもう来ないと決めていたのに…


もし、楓がまだここにいるのならば


俺が迎えに行かなきゃ


そして交差点の先の橋のたもとに


人影を感じで走り寄った


「楓!?」


《剛典…。やっと来てくれた》








嘘だろ?


楓の姿がそこにはあった