剛典「今度僕の家に来て下さい。ぜひお話したいことがあります」
岩田くんが1年だけの約束で始めた独り暮らし
躊躇しなかった訳じゃない
でも岩田くんのこともっと知りたいから
私は後日岩田くんの家へとお邪魔した
岩田くんの家はやっぱり私達が住むようなとこではなくて
タワーマンションの最上階だった
葵『ここ…なの?岩田くんのおうち』
剛典「うん、そうだよ。独り暮らしするならセキュリティの万全なとこって条件で…」
葵『やっぱすごいんだね、岩田くんって』
剛典「そんなことないよ」
その時また、あの視線を感じた
剛典「吉田、今日はもういいよ」
吉田「しかし剛典様、こちらの方は…」
剛典「いいんだ、僕のお客様だ」
吉田「しかし、こちらの家に美優お嬢様以外はお入れしてはいけないと、旦那様にも強く言われておりますので…」
剛典「いいって言ってんだろ。吉田、もう帰っていい。」
吉田「困ります、剛典さま」
剛典「わからないのか?この人は僕の大切な人だ!明日の会議にはちゃんと出るから!今日はもう帰ってくれ!」
吉田「わ、わかりました。それではおやすみなさいませ」
剛典「ああ、ご苦労さま」
葵『……』
剛典「あ、ごめんなさい、失礼を…。」
葵『本当にいいの?』
剛典「当たり前じゃないですか!僕が呼んだんですから。さっきのは気にしないで下さい…って言われても気になりますよね…。吉田は父の秘書で僕の身の回りの世話を任せられてる者です。独り暮らしをしてから僕を見張るように父から言われているようで」
葵『あの視線ってもしかしたら…』
剛典「すいません、たぶん吉田です。デートの時もたまに見かけました」
葵『そうなんだ…』
剛典「吉田にも葵さんのことちゃんと説明します。嫌な気持ちにさせてしまって、ごめんなさい」
葵『そんなことないよ、大丈夫』
私はやっぱり部外者なんだよね…
剛典「ここが僕の部屋です」
エレベーターに乗って降りた最上階の角部屋
剛典「どうぞ」
葵『お邪魔します…わぁー』
大きなテラスに向かった大きな窓ガラスには
キレイな輝きを放っている東京タワー
やっぱり私は夢を見ているんだろうか
場違いな自分が胸に突き刺さる
その時ふわっと後ろから感じる気配
私は岩田くんに抱きしめられてた
葵『え…岩田くん?』
剛典「やっと2人きりになれた…」
剛典「恋するってどんなことなのかやっとわかったんです。会いたくて会いたくて、いつも葵さんのこと考えて…。」
葵『私も同じだよ』
剛典「本当ですか?」
葵『岩田くんのことが頭から離れないの…んっっ』
最後まで言い終える前に
私は岩田くんから
キス…をされた…
体のチカラがすぅーっと全部抜けた


