『剛典…今夜はもう帰るわ…』





「どうして?なに焦ってんの?」


『剛典…わたしね…』





「誰かと待ち合わせ?」


こころがズキッと痛む


剛典はきっと気付いているはず


だから言わなきゃ…







『彼がNYへ旅立つの』




「それで?」


『私、やっぱり…』


「嫌な思いをしたんだろ?」


『それは、彼の優しさだってわかってたのに…。』


「一緒に行くの?NYへ」


『……』


「心の中はもう決まってんだろ?」


『私…彼についていく』


「覚悟は出来てんだな!二度目はないぞ」


『うん』


「もう、おまえのこと助けてやんないからな」


『うん…。ごめんなさい…』




「あやまんなよ。悪いのは俺だ」


『そんなことない!剛典は何も悪くない。悪いのは剛典を巻き込んだ私の方…』





俺がおまえをあいつから奪ったのは


あいつが隙を見せるから


あいつがおまえを悲しませるから


そんなおまえをほっとけなかったから


気づいたらおまえのこと


好きになってしまったから…



「約束してくれ。俺の前に二度と現れるな 」


『……』


「そのかわり今度おまえのこと悲しませることがあったら、そんときは俺があいつをぶん殴りに行くからな」


『わかったわ…約束する。』




初めて出会ったあの夜から


わかっていたはずなのに


この気持ちを抑えることが出来なくなってた


決して報われない恋だとわかっていたのに…


真っ赤に燃えた情熱の花


好きにならずにいられたのなら…


そう呟いても、もう戻らない





あのときのおまえを


手に入れたいと思った俺が間違いだった


もっと早く出会っていたら…






いっそ届かないところへ行ってくれ


今度こそその手を離すんじゃないぞ


      サヨナラ…







                  情熱の花〜完結〜