あんなに楽しみにしていた
美容室へも行かなくなり
カラーしていた髪も伸び
頭にはグラデーションが出来ていた
忘れるはずだったのに
忘れることがこんなに難しいなんて
あの時Yesの返事をしていたら
どうなってたのかな…なんて
自分で遠ざけてしまったくせに
相変わらずバカなことばかり考えていた。
そんなある日、
美容室から1枚のハガキが届いた
今日子さん‥お久しぶりです。
何度かご連絡差し上げたのですが
連絡がつかなかったので、
どうしているのかと心配しております。
カラーの方はいかがでしょうか
僕はもういませんが、またのご予約ををスタッフ一同心よりお待ちしております。
寒くなりましたのでお風邪などひかれませぬように…
岩田 剛典
がんちゃん!!
胸の鼓動がとまらない
僕はもういないっ…て
どういうこと?!
抑えていた感情が一気に溢れ出た
私は居ても立ってもいられなくなり
美容室へと急いだ
店員「いらっしゃいませ。」
『あの!がんちゃん…岩田さんはいらっしゃいますか?!』
「あ…岩田ですか?岩田は本店の方へ移動になったのですが…」
『え!本店ってどちらですか?』
「こちらになります」
『ありがとうございます!』
小さなハガキに書かれた住所…
電車なら1時間くらい
もう迷いはなかった
私は小さなハガキを握りしめ
がんちゃんがいるであろう本店へと急いだ
がんちゃんに会いたい
私にはもう、それしかなかった…
『ここだ!!』
道に迷いながらも、本店らしきお店に着いた
まだ灯りもついてるから開いてるはず
深呼吸して気持ちを落ち着かせ
お店の中へ入った
店員「申し訳ございません、本日の営業はもう終了したのですが…」
見覚えのある店員さん
がんちゃんのことを“剛典”と呼ぶ人だ…
「あらっ!佐々木様?今日子さんですよね?」
『は、はい…。あの…岩田さんがここへ移動になったと聞いたのですが…』
「はい、岩田はこちらの専属になりましたが…」
良かった…
がんちゃんにやっと会える
そう思ったら目の前が真っ暗になり…
「今日子さん!!大丈夫ですか!!」
私は気を失ってしまった

