21日と22日はシェアハウスFREE☆PEACE解散パーティーでした。




そう、そこはまるで、心の居場所を探す渡り鳥の巣。





そんな空間を僕達は、2011年11月につくった。




でも、その時を振り返って見たら、僕は1人の狐だった。





孤独から来る依存心を友達で埋めるように、

「僕らは夢で繋がる家族なんだ」と叫んだ。




軸もコンセプトもはっきりしない
不自然だけど、どこか心地いい異空間。






ぼんやりとした自由を求める僕は、青臭い青春を胸に。





そこには、理由がなかった。








ただ、寂しかった。






ただ、カッコつけたかった。







世間知らずで無制限の僕達は、ここでキャンプファイヤーをした。






人目をはばからず、服を脱ぐ動物達。


誰かが誕生日の日には、パイを投げた。


窓の外の世界から差し込む冷たい風にも気付かずに…。







そう、そこはまるで、社会不適合者生産所。



日常をぼやかし、非日常で心をうずめる。




社会の荒波に本能を掻き消され、
時計と共に生きる人間達は、

ここで裸の動物を見る。




裸の動物達は、無双のごとく、口先で社会を語る。




そして、仲間を鏡に移し、自分との矛盾を追求していく。




ありのままの自分を求めて…

そうして自立への道を歩む僕達は、この空間に居るには、少し年を食い過ぎた。




孤独な僕達が生み出す、
動物的な非日常を日常に返していかなければならない。




「大人になんてなりたくねえ」

社会に辻褄を合わせるように湧いてくる大人ごころの中に、灯されたガキごころ。




そんなガキごころを思い出すために、ここに来る。










でも、今日は最後の日。




動物園の閉館日だ。





不自然なことが自然にうまれるこの空間で、巣立ちゆく動物達が集まった。





そうここは、本能が見れる動物園。



社会という檻から解き放たれた動物達は、本能のままに暴れたおした。




二夜にして、ガラスが割れ、



トイレが壊れ、

毛が燃えた。。。







「友とぶどう酒は古い方が良い」



そんな言葉があるように、この日は、古株が集まっていた。






はじめは、どこか人間に似ていたが、ここへ戻ると間も無く、懐かしい姿を現した。




俺はというと、ここが閉館することに実感がなかったのか、



涙が溢れる感動の空気もなく、ただワイワイ楽しんでいた。




そして、カウンターの脇でタバコを吸いながら、久々に会う仲間と
思い出に浸った。




そこで、俺はしみじみとした深く心に残るものを見つけた。



じわじわ湧いてくるあの頃がだんだん大きくなっていく。












「終わるんだな…。」



涙の変わりだろうか、声が溢れた。





他の動物達は、遊び疲れたのか、眠りについていた。




俺は、割れた窓ガラスから差し込む光を見た。





もう朝みたいだ。












「始まるんだな…。」






俺は、声を出した。





「外の世界は寒いぞ。心が凍らないように暖かくしていけよ。」


後ろから誰かが言った。








「出て行こうと思う。いつか生まれる子供のために。」








ただ、僕たちは自由だった。


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