俺は路上に出た。

ありふれた日常に花を咲かせるために…。

マリオの格好をした俺は、まずは「FREE HUG」の文字を書いた段ボールの看板を持って、梅田HEP前へ出た。

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これは道ゆく人とハグをすることによって、愛を共有し合う活動!


人は、ハグをすることによってストレスの3分の1が軽減するみたいだ。



この日も10組み近くの見ず知らずの通行人とハグをした。

笑われても良い。

罵倒されても良い。

それが誰かの些細な日常での愛に繋がるなら。



お次は、そのまま電車に乗り、
道頓堀の引っ掛け橋へ向かった。


段ボールの看板の文字は、変わり、「わらしべ長者~何かと交換してください~」と書いた。


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ありふれたサインペンから始まり、道ゆく人に声を掛け、
ペンと何かを交換してもらう活動だ!

交換してもらったものを
また、道行く人の持つ何かと交換してもらい、最終的に何に変わるかを楽しむ!!!


この日はペンから始まり、

ペン→ふきん→マスク→ガム→カイロ→ポイントカード→ヘアピン→コンドーム→チョコレートへと変わった。


コンドームをいただいた時にドキッとしたのは、言うまでもない(笑)


交換されていく物を通して、1人1人の想いが繋がっていくのが楽しかった。

最後は、チョコレートをパクリと食べて、皆の想いを心に入れた。



そうやって、道頓堀で遊んでいると、俺の前でホームレスのおっちゃんが段ボールを敷いて、寝そべっていた。


俺は、そのおっちゃんに話しかけた。

どうやら、お腹が空いているが晩御飯が食べれないみたいだ。


俺「よかったら、弁当買ってくるんで、一緒に食べませんか?」

おっちゃん「ありがとう!是非、しゃべろうや」

しわくちゃの顔をさらにくしゃっとして、おっちゃんは笑った。

日焼けで真っ黒だが瞳の奥は輝いていた。

俺がコンビニ弁当を買ってきて、
一緒に話しながら、食べた。


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おっちゃんは、家もないし、仕事もない。

まさに人の優しさで生きている。

たまに、どうにかして、小金ができると300円でゲームセンターでゲームをする。

それがおっちゃんの至福の楽しみみたいだ。


幸せの尺度がかなり低いなと俺は感じた。


だが、小さな幸せをしっかり感じることができるこのおっちゃんは、
生活は安定しているが、心の安定してないその辺の人より、
よっぽど幸せなんだろうなと俺は感じた。

ありふれた日常に小さな幸せは
いっぱい転がっているんだから…



俺「おっちゃんありがとな!俺、そろそろ行くわ!」


俺は、おっちゃんと握手を交わし、その場を去った。


握手は、友達の証。

おっちゃんの手は、かなり汚れていたが俺は嫌とも汚いとも思わなかった。



友達に見た目や風貌、社会的地位などのボーダーは、一切ないから…。



俺が最後に手にした段ボールの看板。

そこには、「ヒッチハイク!梅田方面」と書いた。



俺は、道路の脇に出て、その看板を掲げ、親指を立てた。


路上では、心からの笑顔が重要だ。

出会う人に自分以上に楽しんでもらいたいから。


俺は、今日、出会った人との楽しみ、喜びを笑顔に詰めて、ヒッチハイクをした。

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すると、ものの15分程で、一台の軽自動車が止まった!!!


この時の達成感は、ヒッチハイクをしたことがある人なら分かるだろう。

奇跡の出会いと優しさが起こす移動手段のヒッチハイク。

銀行マンのおっちゃんが俺を梅田へと送ってくれた。


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おっちゃんは、次の日に俺のBAR FREE☆PEACEに来てくれるみたいだ。

路上で、出会いが出会いへと繋がる一日


俺は、この日、日常を旅した。

特に遠くへ行った訳ではない

そこには、具体的な目的も意味もない。

しかし、路上は教えてくれた。

路上には命があると。

道ゆく誰かが笑ってる。誰かが寂しそうだ。


いつもは見かけなかった誰かのお店。


誰かが落とした手袋。


「路上は生きている。」


路上は、いつもと違った何かを僕に語る。


ありふれた日常に花を咲かそう!!!