届いてくれよ、誰かに。頼むから。 | 森田和正の「画竜点睛」

届いてくれよ、誰かに。頼むから。

寒い日は布団から出るまでに一時間かかる森田です。

こんにちは。



なかなか映画館にいけない今日この頃。


読書ばかりの日々を過ごしておりましたが、


久々にDVD鑑賞をしましたよ。



「フィッシュストーリー」


原作は伊坂幸太郎さん、監督は中村嘉洋さん。

そうです「鴨とアヒルのコインロッカー」コンビです。


2012年、巨大彗星が地球に衝突しようとしていた。

地球滅亡まであと5時間、にもかかわらず

いつも通り営業しているレコード店があった。

その店長が取りだした一枚のレコード。

逆鱗というバンドの「FISH STORY」。

店長は信じていたのだ。音楽が世界を救うと。


1982年、冴えない日々を過ごす大学生。

仲間からは運転手として扱われ、

コンパに行ってもほとんど無視されていた。

ある日いつも通り車の運転をさせられていると、

仲間の一人が面白いテープをかけ始める。

「フィッシュストーリー」という名の曲だった。

1サビが終ると間奏部分に約1分間の無音状態がある。

実は無音状態の部分に女性の悲鳴が聞こえるのだという。

緊張しながら曲を流していると、ついにその

無音の部分にさしかかった。


1999年、修学旅行中の女子高生。

船で移動中についウトウトと居眠りをしてしまい、

みんなに置いていかれてしまう。

恥ずかしいやら寂しいやらで泣きじゃくっていると

目の前にケーキがおかれる。

顔を上げると一人のコックがいる。

「面白い話をしてもいいですか?」

彼は自分の人生を話し始める。

実は彼は正義の味方になりたかったのだ。

そんな話を聞いていると突然銃を持った男が現れ、

彼女の乗っていた船はシージャックされてしまう。


そして「FISH STORY」の生まれた時代。

セックス・ピストルズがパンクをはやらせる1年前。

時代を先取りしすぎたバンド「逆鱗」は行き詰っていた。

発売しても売れないレコード。

ついに彼らはレコード会社の社長からクビを宣告される。

最後のレコーディング。

全員が魂のこもった迫力の演奏が繰り広げられる。

1サビが終わり間奏に入る。

そしてそこで誰もが予期しなかったことが起こる…。



という内容の映画。


原作も読んでいる身としても納得できる完成度!

中村監督は本当に伊坂ワールドが好きなんだなぁと実感しました。

2012年の舞台設定は「終末のフール」に近い、ていうか絶対そうでしょ。

同時期に発売された二冊だから合わせてみたのかな?なんて思いました。


作品の世界観を壊さずに脚色し設定を変えての映像化。

それがこれほどうまくいっている作品も珍しいのではないでしょうか?


すべての話が収束した後にフラッシュバックのように流れる

それぞれの繋がり表す映像。

この映像でやられましたわ。

役者の方々もいい芝居してます。


とりあえず


森山未來さんがカッコイイ。

多部未華子さんがかなりカワイイ。

大森南朋さんがヤバイ渋い。

濱田岳さんの情けない男が面白い。

伊藤淳史さんのワイルドっぷりが新鮮。

石丸謙二郎さんがムカツク


などなど

出演している役者さん全員のファンになってしまうような勢いです。

それだけ作品としておもしろいのですよ!


そして最後の5分間。

スッします。

なんか微笑みながら泣いてしまいそうになります。


この映画面白いです。


やっぱ中村監督はスゴイ!


30日から「ゴールデンスランバー」も公開することだし、

これは要チェックな作品ですよ(@^▽^@)