今のアパートに住み出して、一回目の更新契約が終わり、

三年目に突入した。

 

 

当時、色々物件を内見したが、なかなか気に入る部屋に出会えなかった。

常連のインドカレー屋さんに食事に行った時、

日本人の奥さんが

「うちのアパートだと空いているはずだよ。」

「駐車場も余っている。」

夫が通勤に車を使うので、駐車場は必須。

 

さっそく、ネットで検索をかけたら、確かに空き部屋があった。

不動産屋さんにそこのアパートを指定して、内見をお願いした。

 

日当たりもよく、駐車場もあり、間取りが希望通り。

近くに川があって、環境も良さそう。

なにより賃金が相場より安い。

90年代に建てられたけど、古さがあまり気にならなかった。

 

唯一、お願いしたのは黄ばんだ古いタイプの洗面化粧台を交換することだった。

 

 

入居審査が終わり、不動産屋さんでいよいよ契約書をかわす頃になってから、

急に大家側から契約を無しにしたいと申し出があった。

 

その頃、私はすでに住まいの解約申し出を済ませた。

引っ越し業者の手配、職場の退職、

全ての手続きが終わってからの

大家側からのキャンセル。

 

理由はなんなのか全くわからない。

 

振り出しに戻るのか?

 

また、インドカレー屋さんに食事に行き、この出来事を伝えたら、

「でも、なんかトラックが来て、

洗面台かな?部屋の中に運んで

トントン トントン工事してたってお隣さんが言ってた」

 

この情報が入り、不動産屋さんに

すでに部屋の内装が終わっているのに、なぜ入居できないのか聞いた。

 

不動産屋さんは私たちが工事が終了したのを知っていることに驚いた。

 

よく聞くと、どうやら、

洗面化粧台の交換が大家側にとって、イヤな出費だったようだ。

 

事前に大家さんが娘さんと一緒に

管理会社と共に部屋の中をチェックした。

それから、洗面化粧台の交換も了承を得て、

工事に必要な書類に大家さんが捺印した。

 

だから、工事が始まったわけだ。

 

それなのに、前言撤回したいのか。

 

 

結局、どうなったかというと、

その地区の自治会の会長が出てきて、

「せっかく借りたい人が現れたんだから貸したほうが良い」と

大家側を説得したらしい。

 

全てが白紙撤回になることなく、無事引っ越して来たのさ。

 

いつかは自治会長さんに会って、お礼を言わないといけないわね。