私の父は要介護2で、ほとんど家から出ない。足の筋力がどんどん落ちて、お酒が入ると、家の中でもよく転んでいた。
今年の年始に父の所に数日泊りに行ったが、その時、私の外出中に父はおもらしをしてしまった。
朝起きる→お酒と朝食→私が出かける→
トイレに行こうと立ち上がって→ふらつく→おしっこは待ってくれないので→こたつの側で排尿。
推測すると、こんないきさつ。
私が帰宅すると、父は不自然な姿勢で立っていて、尿が全部放出しないように踏ん張っていたみたいだった。
急いでトイレに連れていき、本人は酔っているけど、自分で下着を下せないほど動揺していた。
代わりに父の下着を下ろして、「大丈夫だよ。」
「もう入院してる時に、てめえのおち〇ち〇もとっくに見てるし、おしっことうんこも見てるよ」とわざと汚い口調で言って、落ち着かせて、なんとか無事にトイレを済ませた。
履いていたズボンは濡れていたので、私は「よっしゃー!」と思ったのだ。
なぜなら、やっとこれで、ボロボロになった父の長ズボンを新しい冬用ズボン(裏起毛でもこもこしているやつ)に着替えられるのだ!
寒い寒いと言っていた父のために用意したズボンを見せても、頑固だから、なかなか履いてくれなかったから。
その後、父は「飲み過ぎたみたいだから、横になる。」と言って、寝室に入った。
昔の自分だったら、すぐに父を叱りつけただろう。
でも、父は健常者ではない。
出来て当たり前のことが出来なくなっている。
そういう事実を少しづつ受け入れるようにした。
前に教育テレビで介護のことを学ぶ番組があった。
お母さんが排泄うまく出来なくて、汚しちゃった下着を家中に隠す→嫁(娘かも)が掃除する時に見つかる→お母さんに怒るというシチュエーションだった。
介護する側が怒っちゃうと、ますますお母さんが意固地になるし、隠すことを止めない。
隠す=恥ずかしい。認知症があっても、羞恥心は残っているということだそうだ。
なので、隠した下着を見つけたら「見~つけた」
「へえ~、こんな所に隠すんだ。」
「よく思いついたわね♪」と優しく、明るく対応するいいそうだ。
起きたことの裏側の原因を探って、色々な解決策を試す。
うっかりやってしまったミスは誰にもあるので、相手を許して、介護の現場を明るくしていきたい。
失敗しても、そこからから学べばいいから。