キース・ヘリングに、会いに行った。
80年代のポップカルチャームーブメントの波を作り、日本でも人気が高いアーチスト。大好きなんだけど作品を見るのは初めて。
ニューヨークの地下鉄で描いていた時代。
クラブカルチャーと響き合うように生み出された作品たち。
差別社会への抗議。
平和への願い。
展示の後半に飾られたブループリントシリーズ。コミック風のペイントに注釈はない。この世界の虚しさ、なくならない暴力へ無言の抵抗。と、私は解釈して作品の素晴らしさに黙りこんでしまい、同時に悲しくもなってしまった。
プリミティブで明るく単純な人間讃歌!のキース・ヘリングも好きなんだけど、良く見るとやっぱり、それだけじゃないんだよね。
線の素晴らしさと色彩のセンス以上のものが。宇宙的というか、マクロであると同時にミクロな思想があるから、普遍的に愛されるのだ。
キース・ヘリングは細胞を描いていたんだと思う。命あるもの全てにあてはまる。