ボルネオ島で発展した生粋の作業犬、テロミアン | For All Dogs

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今回紹介するのは、マレーシマ生まれのテロミアンです。基本的なデータは以下の通りです。

 

原産国:マレーシア

作出目的:害獣駆除、番犬、漁の手伝い

大きさ:中型犬

毛色:制限なし

運動量:120分

手入れ:週1回のブラッシング、トリミング不必要

飼い易いさ:初心者向きではない

 

~Historie~

 

テロミアンはマレーシア原産の犬種で、ボルネオ島にあるテロム川周辺の森林地帯で古くから飼育されてきた犬種です。

 

ボルネオ島は東南アジアの島であり、南シナ海、スールー海、セレベス海、ジャワ海の4つの海に囲まれていて、ボルネオ島は3つの国が分割して領土にしていて、マレーシアはボルネオ島の北側の1/4を領有しています。

 

テロミアンの先祖はどの犬種かは分かっていませんが、人ともに大陸から渡ってきて、この島で独自に発展していった犬種ということはわかっています。

大陸から渡ってきた時期に関しても分かっていませんが、かなり古いことはある特徴から推定できます。

 

その特徴は繁殖期です。多くの犬の繁殖期は年に2回ありますが、テロミアンは年に1回しかありません。これはオオカミと同じ回数で、古代犬種に認められる特徴なのでテロミアンも恐らく古代犬種だと思われ、その生まれはかなり古いといえると思います。

 

テロミアンは大きく3つの仕事に従事してきました。その1つ目が害獣駆除です、家に侵入してきた毒蛇やネズミを捕食していました。その捕食方法は通常は母親から学びますが、親がいない若しくは育児放棄をしている場合は人が教える事もあるようです。

 

テロミアンは毒蛇なんかを食べて死んだりしないのか、と心配になりますが、毒蛇の毒に対する免疫があり、食べても健康に問題はないとされています。

ただ、本当に大丈夫なのかは不明です。

 

2つ目の仕事は番犬です。不審者が現れると、容赦なく吠え続けて、不審者の存在を飼い主や家族に教えてくれます。ただ、人が来たら無闇に吠えるのではなく、知り合いだった場合は吠えることはないといわれる優秀な番犬です。

 

3つ目の仕事は漁の手伝いです。川の浅瀬で待ち伏せをして現れた魚を素早く捕獲します。そして、漁が終わると獲れたての魚を与えてテロミアンの協力に感謝をするという風習が残っているようです。

 

この3つ目の仕事は現在では少なくなりつつあるようですが、それでも伝統的な漁をする漁師にとっては未だに頼もしいパートナーだとされています。ただ、この量の手伝いは全ての個体ができるわけではないようです。

 

マレーシア意外に知られたのは遅く、昭和38年にアメリカにオスとメスの2頭が贈られたのが最初といわれ、その2頭はブリーディングと研究に尽力しました。その後、再びオスとメスの2頭が贈られ、遺伝子プールの改善が行われました。

 

そして、ケネルクラブも設立されることになりました。

 

稀少犬種の1つではあるものの、マレーシアを含めて大切に保護されている犬種なので絶滅の危機は低いと言われています。

 

~Aussehen~

 

容姿は日本犬のような容姿をしているといわれ、やや丸みを帯びたスリムな体形で、耳は立ち耳、尻尾は巻き尾若しくは垂れ尾をしています。被毛はショート・コートで、カラーの制限はありません。

 

手入れは週に1回のブラッシングのみで十分です。

 

~Charakter und Merkmal~

 

やや内向的な性格で、番犬としても活躍してきた犬種なので警戒心が強いと言われます。

 

身体能力が高く、スタミナも豊富で、飼育するのであれば1日2時間はしっかりと運動させたい犬種ですね。又、ドッグスポーツも優れた成績を残るのではないかと思いますね。

 

ボルネオ島は高床式の家なので、梯子を上る能力に長けているといわれています。このことから、テロミアンは家の中に入ることができるということが分かり、ボルネオ島の人々に非常に大切に飼育されてきた犬種であるということが分かりますね。