
4 どんな構成になっているか
頁ごとにどのような情報が掲載されていたかランキングにしてみました。
1頁目
第1位 タイトル 98団体
第2位 団体名 87団体
第3位 公演期間 77団体
第4位 上演劇場 74団体
第5位 作演 60団体
第6位 配役・出演者 20団体
1頁目は、表紙にして、作品名など公演に関する基礎的な情報のみを掲載している団体がほとんどです。
そのうち15団体がフライヤー(宣伝チラシ)のデザインを表紙として使っていました。
配役・出演者を1枚目に掲載する団体は20団体ありました。観劇者が一番知りたい情報を冒頭に掲載するのもいいかと思います。観劇中に配役が気になる方には紙をめくらずに確認できるメリットがあります。
2頁目
第1位 主宰などの挨拶 53団体
第2位 配役 32団体
第3位 スタッフ 22団体
第4位 あらすじ 15団体
第5位 協力 11団体
2頁目で多かったのは主宰などの挨拶です。
4頁の当パンでは、表紙をめくった2頁目が最初に目にする情報になります。ここに主宰等からの挨拶を載せ、観劇のお礼を伝えたいのは理解できる流れです。
一方、配役を載せた団体は32団体でした。観劇者が一番知りたい情報を先頭に掲載したい狙いがあるのかと思います。
あらすじを2頁目に載せた団体は15団体。あらすじを当パンに載せた団体の8割近くが2頁目に掲載しています。
3頁目
第1位 配役39団体
第2位 スタッフ36団体
第3位 次回出演情報 23団体
第4位 協力 21団体
第5位 グッズ販売 8団体
3頁目で多かったのは、配役(39団体)とスタッフ(36団体)です。
分析では4割弱ですが、もっと多くの団体が配役を3頁目に記載している気がします。配役だけで頁が埋まることは少なく、残りをスタッフ、協力、スペシャルサンクスに割り当てる使い方が多いようです。
4頁目
第1位 次回出演情報 47団体
第2位 次回公演情報 24団体
第3位 団体のSNS 14団体
第4位 スタッフ 11団体
第5位 グッズ販売 11団体
4頁目で多かったのは、演者の次回出演情報で、ほぼ半数の団体が掲載しています。
団体の次回公演情報や団体のSNSを掲載する団体も多くあります。
スタッフを最終頁に掲載する団体は約1割。これは次回出演情報を3頁目に掲載した結果、スタッフや協力、スペシャルサンクスが最終頁になったことが考えられます。
映画のエンドロールと同様、パンフレットの最後に掲載することは可笑しくないでしょう。
一方で、次回出演情報は、上演作品との関係は薄い情報なので、先に作品に関わるスタッフ等の情報を掲載し、最後に裏面をみると次の観劇に向けた情報がわかることも整理された考え方だと思います。
5 当日パンフの役割とは
これまでに紹介したような、たくさんの情報が載っている当パンですので、劇場に入って座席に当パンがないと残念に思います。本当に残念な気持ちで一杯になります。
なんでそう思うのか、当パンの役割から考えてみました。
役割その1 演劇を楽しく・わかりやすくするもの
【関連情報】配役表、あらすじ、主宰挨拶
連載その2「配役表があるといいこと」でも書きましたが、配役表であらかじめ気になる役者の役名を知っておくことで、舞台で「この人かな?」と気にすることが減り、集中した観劇につながります。
また登場人物や設定を上演開始前に頭に入れておくだけでも、芝居がわかりやすくなります。
このほか、主宰の挨拶やあらすじは、作品を読み解く鍵になることがあります。
役割その2 観劇者と役者をつなぐもの
【関連情報】配役表、今後の活動情報、経歴、物販情報
配役表があることで、舞台での登場人物(役)を通じて、役者を知ることができます。
舞台で気になった出演者さんがいれば、配役表で役名から名前を確認し、今後の活動情報から次回出演作やSNSのアカウント情報を得ることで、その方の次の舞台を観に行くかもしれません。
お目当ての役者さんの次回の出演情報を入手することもできます。場合によっては、SNSや出演団体の情報公開より早く入手できる場合があります。
このように、当パンを通じて、観劇者も出演者も次の活動に繋げることができます。
掲載している当パンは少ないですが、過去の出演歴に関する情報が役者を知るうえで役立ちます。観ていた作品に出演していたことがわかると、親近感が湧いたり、益々気になったりするかもしれません。
最近では個人の物販サイトを設ける役者さんをみかけます。こうした物販情報も、役者さんと観劇者さんの距離を縮めます。
役割その3 見返したときの記憶をよみがえらせるもの
【関連情報】タイトルや公演日時、出演者、配役表、あらすじ
時間が経ってから、どんな作品だったか、いつ・どこで観たかなどを思い出すときに、パンフレットがあると便利です。
上演作品は意外と忘れていくものです。配役表はもちろん、あらすじや配役に(説明)があると助かります。
役割その4 団体を知ってもらうツール
【関連情報】団体紹介、SNS、物販
旗揚げのきっかけや届けたい作風を紹介することで団体を知ってもらうことや、SNSでのアクセス情報や物販サイトを紹介するのも、当パンの役割といえます。主宰の挨拶も同様で、「団体の気持ち」を伝えることは、団体に対する親近感を持たせることに繋がるかもしれません。
役割その5 その1~その4までの情報が迅速に入手できる
当パンを作成しないということは、以上のことが観客にとっては手に入らない、団体や役者にとっては届けられない、ことを意味します。
「SNSなどで団体や役者を検索すれば配役や個人の活動情報などは入手できるのでは。」という団体があります。しかし検索して調べるには時間と手間を要します。整理された情報が迅速に入手することができるのも当パンの重要な役割といえるでしょう。
**コラム**
当パンは観劇後に見返すのか
ところで、どのくらいの観客が後になって当パンを見返すのでしょうか。「ほとんどの人はその場でしかみないのでは」「そんな少数のために当パンを作る必要があるのか」との意見もあるかと思います。
当パンの役割はこれまで述べたとおり、観劇後だけではありません。劇場や観劇直後でも必要な情報を提供しています。また観劇者だけでなく、団体や出演者にとっても役立つものであります。
なので、これらの役割をカバーする当パンを作成することが、当パン自体の必要性を高めます。
そしてなにより、少人数かもしれない当パンを見返す観劇者こそ、小劇場愛が強く、支えている人かもしれません。
また気になった役者さんをSNSでフォローしたら、プロフィールなどから過去に観た作品に出演していたことがわかることがあります。こういう時に当パンを見返し、あの役だったのかと振り返ることがあります。