
2 質問内容別の考察
連載2回目は、質問ごとにみていきます。
質問その1 観劇日時
●質問の仕方
<実例>
・ご観劇の日時
・ご来場日
・ご観劇回
・ご来場いただいた公演日はいつですか
・どの回の公演をご観劇いただきましたか?
・記入欄しかない
と、①シンプル、②丁寧、③記入欄しかない の3つに分けられます。
質問を読むのにも時間をとるので、この内容であれば、なるべくシンプルに伝えたいところです。
●記入方法
観劇日時を質問した83団体について記入方法を調べました。
1 記入済みの日付と昼夜(または開演時間)から選択する 29団体
<実例>
・2月 11日夜、12日夜、13日昼、13日夜、14日昼、14日夜、15日昼、15日夜
・1月29日19:30/1月30日19:30/1月31日19:30/2月1日14:00
・□8/24土15時 □8/24土19時 □8/25土15時 □8/25土19時
・2月 11S、12S、13M、13S、14M、14S、15M、15S
記入する負担が最も少ない方法です。
しかし、公演日数が多いと、小さいポイントの字が並ぶ中から、該当する日時を探すことが面倒に思うときも。
また団体側からは、質問内容のわりにはスペースを割くし、公演ごとにデータを打ちかえる手間がかかります。
2 記入済み日付を選択し、その後昼か夜(または開演時間)を選択する 8団体
<実例>
・9月11日/12日/13日/14日/15日 : 昼 ・ 夜
記入する負担に配慮しつつ、スペースをとらないバランス型ですが、採用は8団体。
観劇回を 「11日」の「マチ」と区切る観劇者には合うかもしれません。
3 全て自分で記入する 25団体
<実例>
・ 月 日 ( )時の回
・12月 日 ( )公演
記入の負担は大きいですが、たいして書く量があるわけではないので、これを面倒に思うかです。
スペースをとらず、公演ごとにデータを打ちかえる手間がほとんどかからないのがメリットですかね。
4 日付は自分で記入し、昼夜は選択する 21団体
<実例>
・ 月 日 ( 昼 ・ 夜 )
・ 6月 日 (14時 ・ 19時)
団体側へのメリットを生かしつつ、記入の負担を少しでも減らしたバランス型といえるでしょう。
観劇日の記入方法は、観客と団体のどちらの負担軽減を優先するか、観客にとって、日付を探すことと記述することではどちらが負担になるかを考えるのが、ポイントといえるでしょうか。
●観劇日時の欄を用紙のどこに設けるか
1 冒頭で質問する 42団体
半数以上の団体が、表題のすぐ下で記入させるか、質問項目の一つとして冒頭に記入させています。
2 用紙の上端に記入箇所を設ける 35団体
アンケート用紙の右上に設ける団体も少なくありません。
そのほとんどが、「 月 日( )時」や「7月 18・19・20・21(昼・夜)」とだけ書いてあり、「観劇回」や「ご覧いただいた公演に✔をお願いします」と一言添える団体はごく少数です。
ポイントが小さいものも多く、見落とす人がいてもおかしくありません。
3 用紙の下方に記入箇所を設ける 4団体
最後に記入させる「公演案内の希望の有無」のすぐ上か、用紙の右下に設ける団体が4団体ありました。
記入する側にとっては見落としやすいし、日付ごとに分けるには整理しにくいのではないでしょうか。
●記入を求めない・日付があらかじめ記入されている
日時の記入を求めない団体は17団体。
そのうち、あらかじめ日付を記入した用紙を配る団体が1団体ありました。これは楽です。
公演日ごとに綴れば記入させる必要はありませんし、そもそも、日付を記入させる意味がどれだけあるのでしょうか。
質問その2 公演を知った方法
8割近い団体が質問しています。
●質問の仕方
<実例>
・本公演を何でお知りになりましたか?
・本公演を知ったきっかけは?
・今回の公演を何で知りましたか?
・どこで本公演をお知りになりましたか?
「何で」又は「どこで」知ったかと、「知ったきっかけは」という聞き方に分類されます。
●選択肢
回答にどんな選択肢を設けているかをみていきましょう。
注意事項として、例えば、HPやブログ、インターネットはHPという選択肢があればここでまとめてカウントしています。雑誌・新聞、テレビ・ラジオなども同様です。
なお選択肢の横に( )を設け、例えばフライヤー(入手先: )と具体的に記載させる団体が多くあります。
選択肢としてあげる項目を多い順紹介します。
・その他 71団体
・出演者と関係者 66団体
関係者 40団体
出演者 21団体
出演者・関係者 11団体
・チラシ(折込チラシ・フライヤー) 65団体
・HPやブログ、インターネット 63団体
・ツイッター・SNS 54団体
・友人と知人、家族 35団体
・DM 22団体
・雑誌や新聞 19団体
・こりっち 17団体
・くちこみ(評判) 14団体
・演劇サイト 8団体
・たまたま(通りかかった)4団体
・テレビやラジオ 5団体
・メルマガ 4団体
・劇場 3団体
・団体から 3団体
・カンフェティ 2団体
・ポスター 2団体
・どこかの当パンの告知 1団体
・市の広報紙 1団体
・プレイガイド 1団体
・掲示板 1団体
・招待状 1団体
・イベント 1団体
・過去公演 1団体
・テレパシー 1団体
選択肢1 出演者ないし関係者
77団体中、66団体が①出演者、②関係者(公演関係者)、③出演者・関係者のいずれかを挙げています。
このうち出演者を含めて「関係者」のみを選択肢にしている団体が一番多くて34団体ありますが、自分には「関係者」という言葉にどうも違和感を覚えます。
「関係者」は団体にとっての関係者であって、観劇者にとって終演後に挨拶をするつながりだけの役者やスタッフは「関係者」ではありません。出演者目あての観劇者が多いでしょうし、「出演者」か「出演者・スタッフ」と表示するのがわかりやすい気がします。
なお、6団体が選択肢に「出演者」と「関係者」の両方を設けています。ただ「出演者」とスタッフである「関係者」をわざわざ区別して記入させる必要があるのでしょうか。
選択肢2 チラシ
<実例>
・チラシ
・折込チラシ
・フライヤー
・折込、置きチラシ
など。
「フライヤー」の言い方が好きなのですが、語源としても、わかりやすさでもチラシ(折込チラシ)が妥当なのでしょう。
チラシは作品との出会いに欠かせないツールです。SNSでの出演者の告知は公演情報を知るきっかけになることが多いですが、それでも観劇時に折り込まれたチラシをみて、「この劇団の公演か」「このフライヤーのセンスなら面白そうかも」「原作が岸田國士か」などから予約を入れることが多々あります。
また出演者に興味を持った人が、当日パンフレットの出演情報をみてから、その公演の折込チラシをみつければ、次の観劇に繋がりやすいと思います。
選択肢3 「HP、ブログ、インターネット」「ツイッター、SNS」
団体の選択肢はバラバラです。
<実例>
・劇団ホームページ
・公式WEBサイト
・ホームページ・ブログ
・Twitter
・SNS
・ツイッター等のSNS
・劇団フェイスブック
・Web
などあり、劇団HP・劇団SNSなど明確にしているアンケートがある一方で、単に「ホームページ」「Twitter」「Web」などしか書かれていないこともあり、この選択肢は、具体的に何を指しているのかすごくわかりにくい。HPといっても劇団の公式を指すこともあれば、演劇サイトを指すこともあります。
またTwitterで出演者の告知をみて作品を知った方にとって、「出演者(関係者)」か「SNS(Twitter)」のどちらを選んでいいかわかりにくいし、くちこみ(評判)も「SNS」で知ることがほとんどです。
結局は「何の」HPなり、SNSかということが重要であり
劇団( Twitter ・ HP ・ ブログ ・ DM )
演劇サイト(こりっち ・ カンフェティ ・ その他)
で、あとは出演者や口コミ・評判でいい感じがします。
選択肢4 友人・知人・家族
<実例>
・友人から
・友人・知人の紹介
・知人からの紹介
・友人に誘われて
・友人にきいて
など
その団体を知っている知人と一緒に観劇に来た人をしばしば見かけますし、この項目を選択した観劇者がリピーターになれば、集客力が向上したといえます。
ただ、観劇を誘ったことのある経験からすると、その方はフライヤーなどで公演情報を既に知っているケースも多く、観に来た理由として「誘われたから」という場合があります。
なので、こういう選択肢をみると、「公演を知った方法」よりは「公演を観ることを決めた理由」という質問がいいのではないかと考えます。
選択肢5 DM メルマガ 団体から
メールやメルマガ、ハガキなどで公演を案内する団体にとっては、その効果を知りたいということでしょうか。29団体が採用。
しかし毎公演通う観劇者は当日パンフレットや折込チラシで次回公演の予定を知ることができますし、たまに観に行くなら公演自体をDMで知ったとしても、予約の決め手は出演者など別のことがほとんどです。
DMに先行予約の特典(観やすい席で観られる)があるなら、DMが予約のきっかけになることが考えられます。
DMについては「DMを受け取っているか」という質問をして、DMの送付数に対し、どれくらいの人が足を運んだかを把握する程度でいいかと思います。
選択肢6 雑誌・新聞
19団体が採用。比較的大きな劇場で公演する団体さんは選択肢に入れています。
雑誌には劇場で配布されるカンフェティや、情報誌のえんぶなどが考えられます。
新聞を挙げた団体はほとんどなく、朝日・読売など日刊紙を中心に具体的に挙げた団体は1団体のみ。
小劇場演劇を知るきっかけが新聞なのはレアなので「その他( )」でいいでしょう。
選択肢7 こりっち(CoRich舞台芸術)、演劇サイト、カンフェティ
「こりっち」(演劇サイトの「CoRich舞台芸術」)は小劇場演劇の予約を多く扱い、サイトをみると、上演中の作品が把握できることや観劇者の感想や口コミが読めるので、作品を知るきっかけになることが想定され、17団体が選択肢にあげています。
公演チケットサイトの「カンフェティ(Confetti)」をあげているのは2団体。作品を知るというよりは、座席を指定して事前支払で予約する場合に利用します。
劇場で折込みチラシとともに配られる紙媒体の「カンフェティ」は毎月発行され、観劇の情報源として読まれる方も多いかと思います。
なので、カンフェティを選択肢にしたいのであれば「雑誌(カンフェティ)」がわかりやすい。
選択肢を「演劇サイト」としている団体は8団体。漠然と「演劇サイト」とするよりは、明確に「こりっち」としての数を押さえておいた方が回答の活用には有効でしょう。
選択肢8 くちこみ(評判)
Twitterの感想がきっかけで公演に興味をもって足を運ぶ人は自分も含めています。14団体が採用。
これも「公演を知った方法」というよりは、「公演を観ることを決めたきっかけ」という質問の選択肢としての方が合うでしょう。
選択肢9 たまたま(通りかかった)
自分は時間の都合がついたときに飛び込むことがありますし、週末の下北沢で恋人か夫婦らしい男女が飛び込みで観劇する光景をたまにみかけます。
気持ち的には、「たまたま( 仕事等の都合がついた ・ デートで ・ ショッピング帰りで ・ カレーを食べたついでに ・ 劇場入口のフライヤーが気になった ・ 暇だった ・ その他 ) 」など、劇場のある街と観劇の関連を知りたいところです。
選択肢10 テレビ・ラジオ
テレビやラジオがきっかけで作品や団体を知ることもあるようです。
この選択肢を採用した団体のほとんどが、主宰などがメディアと繋がっていそうです。しかし小劇場演劇を知る方法としてはまだまだレアな媒体でしょう。小劇場からメディアで活躍するようになった役者や作家には、もっと小劇場全体の魅力を発信してほしい。
オールナイトニッポンでパーソナリティが挙げた団体の公演を観に行った人が実際にいますので、いつか、こういう選択肢があたりまえになると嬉しいです。
選択肢11 劇場
劇場は3団体が採用していますが、劇場に置いてあるフライヤー(チラシ)で知った方は、「チラシ」を選択するかもしれません。
このほか劇場の入口や壁に張り出している「上演中の作品」「次回公演作品」が考えられますが、レアな選択肢でしょう。
その他にも 市の広報、どこかの当パンといった選択肢がありますが、協賛などのケース等に応じて選択肢として設ければいい範囲でしょう。
質問内容の分析はまだまだ続きます
アンケートの考察 100団体のアンケートからみる質問内容 (連載その3)
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