これは成田屋の忠信

歌舞伎座の昼の部は狐忠信の三幕
鳥居前 吉野山 川連法眼館
鳥居前で荒事,吉野山で和事,川連法眼で物の怪と武士を演じる。
一日でこれを演じ分けるのは市川海老蔵
今回,オモダカ屋の猿之助さんに指導を仰いだということだが,これは成田屋の忠信として昇華したと感心した。

鳥居前の静御前の春猿さんは後の玉様を凌ぐ美しさ
怒られる弁慶役の権十郎さんの声の感じが鳥居前の弁慶によく似合う
そして,市蔵さんの早見の藤太。早見の藤太が市蔵さんに似てるんだな。すべからく藤太の本流は片岡市蔵,松島屋にアリ。他の人の藤太は市蔵さんの真似事だ!

吉野山は新しい試みで竹本のみ清元なしの試み,藤太への笠ブーメランもなし。新しい試み,俺はちょっとバツ。鳥居前とカブルからこう言う趣向にしたのかな?

四の切り(川連法眼館)は海老蔵の独壇場。新橋で見たときより,親子の情愛が伝わり,涙。物の怪姿も悪戯好きの子狐の仕草とはこういうものかと頷いた。

二つの幕間が35分ずつあってもてあまし気味。
海老蔵にかかる負担が大きい興業になってしまって,本興業というより座長公演状態。それはそれでいいんだけれど,千秋楽まで成田屋さんがんばってね!