定番車引。菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)の場面。
この通し狂言の中でも,車引の主役は梅王だと思うのです。
平安時代。舎人(とねり)といわれる人々は牛車の番人であり,牛の世話なんかもしたのだろうけど,要はお抱え運転手でボディガードなんじゃないかなと思うのです。
藤原時平に菅原道真公が責任取らされて,むしゃくしゃしている道真公の舎人梅王丸。その発端となった事件,道真公の娘,苅屋姫と帝の弟,斎世の密会に一役買った,責任を感じてる桜丸。
吉田神社に時平が来るぜと聞いた二人が時平の牛車にテロ敢行!
時平の舎人は三つ子の長兄松王丸!
三つ子の三人。松王丸,梅王丸,桜丸。三人が絡んで,大喧嘩!壊れた牛車の中から出てきた時平は黒魔術を操る超能力者!とくれば奇想天外な面白さ。

そんな中,梅王丸は純真無垢なテロリストであるわけで,その動きはゴムマリのように弾んでいて,どこに行くか危険でさえある。
そこがいい!

松緑の梅王丸。ゴムマリ加減が良い。あの丸い顔が満開の梅のようでもある。以前見た勘三郎襲名興業での勘太郎君の梅王も好きだけど,松緑の弾み方は,舞台を飛び出して見えた。

杉王丸の種太郎君。声と背筋に一本通る日も近かろうと楽しみ。この杉王丸でまた成長してください。彼は目が良い!細面の顔つきに切れた目は女形の資質もあるように思うけど・・・文七のお久とか,いいと思うなぁ。注目してますよ!