秀山祭のオーラスは9年ぶりに吉右衛門が扮する加藤清正。関が原の戦いの後,二条城で家康と秀頼が面会するわけです。秀吉への恩を,まだ若い秀頼を守ることで返したい清正。病を押して秀頼を守り抜くのです。秀頼は福助。
 今,世の中は家康好み。朝鮮出兵や三条川原でのなで斬りなど,秀吉の人気がチョイと落ち気味です。そのせいか,秀吉の重臣,剛勇無双の加藤清正が,二条城での会見で秀頼を庇護し,無事に大阪城まで送り届け,直後に死亡すること。その4年後,秀頼のまた夏の陣で最期を迎えることを知らない人が多いのではないでしょうか。
 この背景がないと,近い将来訪れる運命と対照的なこの2人の対話に二条城から帰還した安堵と同時に切なさを感じないのではないかと思いました。