「なんだか最近いろんな事が起こり過ぎてるね。俺に起こった事も、ちー子(智恵)に起こった事も、単なる偶然ではなさそうだね。二人とも命を狙われている。夫婦二人で命狙われるなんてなかなかないよね。映画じゃあるまいし」うっすら笑いながら語る慎吾だったが目は真剣だった。
「ただ、俺は本当に心当たりが無いんだよね、車壊された犯人は分かったけどね。命を狙われる程の恨みを買った覚えは本当にないんだよ」改めて考えながら首を斜めに傾けてそのまま考え込んだのだろう、斜めのまま動かなくなった。
智恵がゆっくりしゃべり出して慎吾の頭がしゃべる速度に併せて元の位置に戻った。
「貴方に起こった事も私に起こった事も原因は私かもしれない」慎吾に目を合わせない様にしゃべる。
「実はね数ヶ月前に仕事でトラブルって言うか、相手が怒って私をは侮辱したの。私はマニュアル通りに対応したのに、でも、相手は聞かなくて、尚も私を侮辱し続けたの。電話の向こうの仕事の相手だし、何とか飲み込んだんだけど、秋の甥っ子の運動会の時にその相手に会っちゃったの。今思い出しても許せない」
「あんたの仕事で取引あるって言って紹介した女の旦那だよ!」
智恵の表情が変わった。