第4詩集。116頁に20編を収める。杉本真維子の栞が挟み込まれている。
「ういろう探し」。おまえとふたりで青島ういろうを探しているのだが、どこにも売っていない。ういろうは日持ちもしないのだ。
かきことばでもなく
はなしことばでもない
余波(あおり)のようなぼくらの旅よ
もう
この世の遊びではないのか
作品の前半で”外郎”を誤って”げろう”と読んだ顛末が書かれている。思い込みで読まれた言葉は、話すことで訂正されていく。しかし言葉は、誤っていようがその思い込みで世界をひろげてしまう一面も持っているような気もする。そんなことは駄目なのか?
作品は、ふと立ち止まってそれまでの作品世界を別の方角から捉え直すように終わっていく。それによって作品は新しい意味合いをまとった姿を見せて、そのようにして広がった作品世界が読み手から遠ざかっていく。
「牡蠣殻」仲間と一緒に牡蠣小屋に来たのだが、自分は牡蠣を食べられなかった。仕方なくワインを飲んでエリンギ焼いて食ったのだ。足元にあふれている焼かれた牡蠣殻の内側が「光りながら うねりながら/とおい銀河のように廻っている」のだ。
腰のあたりまで
銀河の渦に巻かれて
仲間たちは
もう何光年も
先にいる
自分だけが取り残されている居心地の悪さがあるようだ。仲間たちはおそらくは賑やかに騒いでいて、渦巻く広大な世界での孤独感がある。
Ⅱには”宇宙船ラスト・ワルツ号”を軸とした作品が集められている。実際のところ、このラスト・ワルツ号が何であるのかは私(瀬崎)にはよく判らなかった。時間の波を横切って行くような存在のものなのだろうか。