*Xmasに起きた奇跡。 11 | AKB48 小説集*

AKB48 小説集*

オリジナルストーリーです!!事実上関係ありませんのでご安心を^^*





さかのぼるは40分前。



今日は午後がオフ、

久々にショッピングでもしたいな。


そんな事をボーと考えるのは

柏木由紀。


何も知らない

柏木は、きらきら輝くイルミネーションの街並みに

くりだしていた。




全てお店は

金(きん)、銀(しろがね)、瑠璃色(るりいろ)にきらきら、ぴかぴかと輝いているのに

暗い狭い路地の向こうに、

あまり大きくはない、黒いお店のようなものが見えた。




(やだ・・なにあそこ。)


柏木は怖くてそこは避けたかった。

けれど、ブラックなパワーを感じるその店に

柏木は吸い込まれるような気持ちになった。



すぐに平常を取り戻し再び歩き出そうとしたが

何故か体がいうことをきかない。

再びあの黒い店を見ると、

店の正面に

黒づくめの格好をした女性が居た。


その女性は柏木に手まねきした。

柏木の体はふらふらと黒い店へと、

狭いくらい路地へと向かう。




(やだ・・いきたくない!!!!)


柏木の声に出ない、

心の声は誰にも届かなかった。




柏木が歩きはじめたとき、

一瞬横を向いた。

きらきら輝くイルミネーションに一瞬目をくらませたが、

その奥に見えたたくさんの男性と女性の愛し合う姿。


そして気付く。

このイルミネーションはただの錯覚だったということ。



本当はあの人たちはずっとああやって

愛し合っていたんだ。

私はイルミネーションによって錯覚をかけられていたのね・・!!!


柏木が気付いた時には、もう遅かった。







































































その2時間前の事だった。


何も知らない彼女たち、板野友美と河西智美は

きらきら輝くイルミネーションの街並みへくりだしていた。



「わぁぁあ~♪もうぴかぴかだね☆」


イルミネーションを見て

笑顔をこぼすのは河西。

板野も一緒にはしゃいだ。


「うん、ほんときれい・・!」


2人は笑顔で街のお店を見ていく。

お店はすべて、

金(きん)、銀(しろがね)、瑠璃色(るりいろ)に輝いている。

2人はいっそう目をきらきらと輝かした。


街並みをずっと見ていると

板野はふっと何かに気づき険しい顔つきにかわる。




(何あそこ・・)


あまりにも周りのイルミネーションに合わない

黒いお店だろうか。

板野はそれに目がくぎづけになっていた。


そうしているうちに

気がつけば河西の声が聞こえてこない。



(まさか!!!!!!!)


板野はすぐさま

河西が居た方向を見た。

そこには、全身黒ずくめの格好の女性が河西を連れていこうとしていた。



「智!!!!!」


けれど板野も後ろからきた別の女性におさえつけられて

口にはんかちをあてられた。


そうするうちに意識はどんどん遠のいていく。

そして、遠のく意識を集中させようとした板野は河西を見た。

河西も同じく麻酔にやられていた。

そして気付けばよかったんだと深く後悔した板野。


河西の事だけじゃない。


周りは人だらけで、

理不尽に愛し合う人がいっぱい、

世の中はおかしいことを。


























次に板野が目覚めたのは15分程度たった頃だった。

あまり時間はたっていないが、

明らかに状況は変わっていた。


板野は真っ白な個室に居た。

ちゃんといえば牢屋のようなもの。



周りは壁だが、出口は鉄の策で、

とても曲がるものではない。


真正面の牢屋にも

人が居た。 それは紛れもなく河西だった。

河西はまだ寝ている。

板野は早く河西に状況を一緒に把握したかった。

けれど、河西が起きる前にすでに状況を理解してしまう。



監視員のような女性が来た。

私の牢屋に黒ずくめの服をさしのべた。

もらった黒い衣服たちは、ウェストポーチも、

腕時計も、キャップもすべて黒。

あまりの不信感に板野はぞくっとした。


あいにくこの時板野のネイルは黒のもので

ネイルは認められた。




その時、牢屋のあく音がした。

板野は黒い衣服たちに茫然と目を奪われていたので

河西の牢屋があいたのかと思い

ばっとそっちに視線をやる。

けれど河西はさっきと同じでまだ眠っていた。


板野はあげた肩をそっと撫でおろした。




あいた牢屋というのは

板野の隣にあった牢屋と思われるものだった。


そこからは全身黒の格好の、さっき板野に配られたのと同じ衣服の女性がでてきた。

髪は簡単に縛られてあり、

今は綺麗に髪をほどこした板野もああやって崩すことになるのかと考えると

気がのらなくなった。

それに今のこの現状にもついていけてない。


(どういうこと?)


そのままその女性はカメラマンが使うようなカメラを受け取ると

耳打ちでこそっと何かを言われていた。


(なんだろう・・)


早く河西に会いたい板野は

河西の方向を度々見るが、河西は一向に起きない

たまに寝がえりをうって何故だか幸せそうに寝ている。


そんな河西を見ると板野は胸が苦しくなった。







そしてその5分間、板野は憂鬱な時を過ごした。


けれどついにその時はきた。

板野の居た牢屋があく。


板野はどきっとした。


「板野さん、あなたAKBですよね?女性に常に囲まれた貴方なら

絶対にできるはず。期待していますよ」


そう言うと監視員のような女性はうすら笑みをうかべた、

なぜだかそれはとても恐ろしいものに見えた。


板野にはまるで意味が分からなかった。

(どういうこと・・?)


板野が黙っていると

監視員はまだ口をひらいた。


「そこにいる人もそうですよね?ならあの方も一緒に行ってもらいましょうか。」


そう言って監視員は河西の牢屋を指差した。

いまだに眠っている河西に居たのは”早く起きろ””早く起きろ”と念じた。

すると河西は起きたのだ。

ミラクルだと思えた。



「ん~むにゃむにゃ・・・ここどこぉ?」


河西はまだこの現状に気づいていない。


「何このさくぅ!?あっ ともち~ん!!!これどぅいうことぉ?!」


1人でハイテンションで話しだす河西に

元々静かすぎたこの牢屋がますます静かになった一瞬だった。


すると監視員は河西にも何か耳打ちをした。

すると河西は恐ろしい顔つきをして頷いた。

また監視員が続けて河西に何かいう。

河西は首をかしげながらも頷いた。


きっと納得のいく事ではないのだろうか。

けれど否定できる根拠も権利もなにも持っていない

私達はなすがままにやるしかないのか、板野はこの時何をするかわかっていなかった。

けれど、さっき女性がカメラをもらっていたことで、

その後の顔いろがかわったことで

何となく察していた。


私達はいけないことをさせられるのだと。




監視員がブキミにいうものだから

河西も板野も迷わずその黒い衣服に手をかける

冷たくて生きた心地のしない薄い服に2人は溜息をついた。


河西はこの日たまたまストレートヘアーできていて、

渡された黒いゴムですぐに後ろで結ぶことが可能だった。


けれど板野はカールもはいり、

そしてロング、金にちかい茶髪。

ましてや今日は美容室で髪をほどこしてきたばかりだった。

けれどそれも簡単にストレートに直され、

板野の機嫌は悪化する。


河西は落ちついてなだめるが

その瞳には涙がたまっていた。




全身黒ずくめに着替えると

次は牢屋からの解放だ。


そしてさっきの女性同様カメラを渡される。


何をするのか板野はまだ分からなかった。

そして板野の耳元で囁いた監視員の言葉はあまりにおかしなことだった。


河西はきゅっと口をすぼめる。

(智はさっききいたのか・・)


河西が納得できること、なら自分も・・。

と思っていた。この時は



「貴方達のメンバーの愚かな狂った姿をこのカメラで盗撮して全国放送してください。」


それはおだやかな笑顔だった。

板野は身震いする。

河西もついにためていた涙があふれ出す。


そしてまた耳元に近づきこう呟いた。



「貴方達には断れない。だってね、企画者は   秋元康なんだから」



板野は河西の腕をひいて

その店から出た。



店を出る時、

「気をつけていってきてくださいね。」


そんな声が店中から聞こえた。

あんなのが何人もあの建物に居る。


板野も河西もすぐさまその場を離れた。

そのため急いでいたので、

周りの男性はとくに、女性もさけながら走った。



だから気が付かなかった。

すれ違うとあるメンバーに







「智・・?」


宮澤佐江には、黒ずくめの格好をして誰か誰だか分からない河西の存在に気づいていた。