『或正午前の場面より』


女の裸を前にして、

何かやらなきゃと気が焦る。

私は長年、

そういう時に

何もしない選択ばかりしてきた。

久しぶりに仕掛人の立場に帰ると、

此処暫く、

何もせずに女を送り帰すのが

マヌケな事のように思うようになった。

大股開きの裸体が

絵画の裸婦像ように静止して

こちらを見ている。

お前は私に

その甲虫のように

真っ黒になったオマンコで

何を望んでいるのだ。

セックスには

お前の望む愛の全てがある

とでも信じているのか。

私は長年、

射精から遠ざかる修行をしてきたのだよ。

下半身の反応と

男の本能的な行動との間が遠いのだ。

理性もこうなると

人間的な心とは言えないな。

さあ、私はそろそろお暇するよ。

誰か私の代わりを探して、

お前の不満を解消させるがいい。