ゴックンの練習をするときに
嚥下反射を起こすための刺激をしてゴックンを促す、というやり方をよく使います。
そのとき、食べ物がなくても
まるで何かを食べているかのように
口をモグモグ、むにゃむにゃ動かしてからゴックンする場面を訓練では、よく見かけます。
が、脳損傷後の方に訓練をしていると
あるパターンあることに気がつきました。
一つは
まさに食べているように
モグモグ、噛むように下顎が動いて
口を閉じようとしている場合
もう一つは
モグモグしているように見えるけど
吸う時のような動きが主体で
見た目にモグモグしているように見えるだけで
実際は口を開けようと下顎を動かしている
つまり、上下の奥歯が噛むようには
接触していない場合
があります。
良いか悪いかで言うと
前者は正常な嚥下パターン
後者は異常な嚥下パターン
となります。
後者はおそらく
吸啜反射という乳児期の反射が
脳損傷により出現したものだと思われます。
異常パターンだったとしても
刺激→モグモグ動く→ごっくんする
という自発的な動きがあるのならば
そこから運動パターンを変える練習をします。
方法は…
吸う時は顎が下に強く動いて
舌も後退する方に動くので
顎が下がらないように
舌が後退しないように
舌骨周囲を手で支え
下顎を閉じる方向に誘導し
運動パターンを変えていきます。
要は
異常パターンの力を利用して
正常パターンに近づけていきます。
異常パターンだったとしても
自発的に動いていることを
利用していきます。