400IMのブレスト。

 
大学時代まで、ここの区間にあまり良い思い出はなく、むしろ目を背けていることが多かった。。死ぬほどキツい区間でもある。
しかし社会人になって様子は一変した。
この区間が一番好きになった、そう言っても過言ではないからだ。考えた分、成果が一番反映される区間でもあると最近は感じている。







400IMに縁がない人は面白くないかもしれないが、これを読めばきっと、少し奥が深まるだろう。






★まず、高3の終わりから現在までの、短水路での400IMのブレストのラップを前半50m(200〜250m)と後半50m(250〜300m)に分け、その差が小さい順と大きい順に分けて表を作成。


〜まずは差が小さい順。〜




(緑)社会人1年目の冬シーズンの3レースの誤差平均が0.10秒
(青)社会人3年目の夏~冬シーズンの3レースの誤差平均が0.07秒

社会人になってブレストの泳ぎ方が圧倒的にうまくなった+速くなった


自分で言うのもアレだけど、前後半の差が0.1秒以内なんて狙ってできることではないし、
だからと言ってまぐれでもない。
きちんとした裏付けがあると思っている。


それが徹底したペース練習であり、ストローク管理であったり・・


そこは学生の時にできなかった要素であり、
社会人になってひたすらブレストのラップを意識した練習を「時間を掛けて」取り組んだ。
社会人だから・・と質の練習でさ「絶対に」この技量を得ることは不可能だったと思う。



特に注目すべき点は社1の2022年1月9日と2月27日の2レース。前半よりも後半の方が少しだけ速い。
あくまでの自分の理想系だがヨンコメのブレは


「前半よりも後半を速く、でもタイム差は小さく」



これができていた。だからトータルタイムもブレのラップも速かった。




★次に前後半の差が大きかった順



(緑)大1の冬の4レースの前後半差の平均が約0.81秒
(青)社会人2年目の短水路3試合の平均が0.25秒



前後半の差が大きく、前半ラップの方が速い展開は正直自分には合っていなかったし
この展開の時には大体トータルタイムが悪いことが多かった。
ただ自己ベストが2回出ている理由としては

・その2レースとも200mまでのラップが大ベストに近く、その勢いにそのまま乗ってしまった
・その大ベストの貯金があったので無茶苦茶なブレストのラップでも何とか持った

と考える。



前後半の乖離が特に大きかったのは大1時の冬シーズン。
ではなぜこの現象が起きたのだろうか・・・




考えられることは一つ。それは、
「前半2種目の徹底的なスピードアップに取り組みすぎて、後半2種目のトレーニングが疎かになった」



埼玉で中高、400IMを私と同じようなタイムで戦ってきたことがある人は感じていたかもしれないが、
中高まで僕は圧倒的後半型のタイプだった。



○中2の短水路ベスト、4:33.59に対し、フリーのラップは1分1秒98。
○中2の長水路ベスト、4:49.04に対し、フリーのラップは1分4秒79。


○中3の長水路ベストは4:42.24に対し、フリーのラップは1分3秒98。
○高2の長水路ベストは4:34.93に対し、フリーのラップは1分1秒56。

フリーだけのラップで見たら決して遅くはないが、トータルタイムと全く嚙み合っていない。


要するに前半が遅すぎたのだ。



こんなに遅い前半では大学では到底戦えないと戦略を大きく変える必要性を感じたのはインターハイが終わり、出場できなかった高校3年生の夏JO期間中。



「大学でも水泳を続けるのであれば今ここで何かを変えないと・・」



大学1年目の最初の半年は何をすべきか分かっていても.それが行動に移せなかったが、後半の半年で一気に巻き返しを図った。(いまここでその時の練習内容を共有すると3倍くらいの文章量になるのでいつかの機会で・・・)



そして僅か1年ちょっとで・・・



(短)前半200mのベストラップ
高3・3月まで 59.14/2:06.67
大2・4月まで   57.16/2:03.43

(長)〃
高3・3月まで 1:00.90/2:13.22
大2・7月まで       59.02/2:09.61


前半2種目に関してはここまで急成長を遂げることができたものの、
正直ここの区間に夢中になりすぎて、後半2種目が疎かになっていたことは否めない。



ただ後半2種目のタイムは総じて「上がった」わけでも「下がった」わけでもなく
「高校時とさほど変わらない」という形だったので
前半上げられた分だけ全体のタイムアップに繋がったと当時からそう考えている。




もし学生のうちにJAPAN OPEN、日本選手権の標準が現実的に狙っていたのであれば
前半上げるという熱意は変えず、後半にもっと注力しろと言いたい。
要するに「後半対策の為にもっと練習しとけ」と。
要するに「もっと練習時間を増やせ」と。



誰がいつどこでこれをみてるかわからないが、
400IMを速くなりたいのであればぜひ取り組んでみてほしい。↓

★キーワード★
・ブレストラップは、前半50mより後半50mのタイムは必ず上げるものの、意識的にではなく無意識的にそれができるように。
・意識して長時間取り組まないと、無意識にはできない。(と思っている)
・前半50mを力むと前後半の差が出やすい。
・普段のペース練習で本番を想定したテンポや感覚で行う。
(一見当たり前のようなことだが、再現性の高さが求められる。)



せっかくだから次は前半200mまでのスピードアップについて、でも話そうかな。