もう遅いの?もう間に合わない?



たったすこしだけでもいい ちょっとだけでいいから



その笑顔をもういちど





                白い雪のように綺麗なお姫様

            世界一といわれたあなたの美しさにいったい
                何千何万の人々が酒を煽り、宴に酔ったことでしょう

              幼い1人の少年は決して会うことのできない
                              あなたに恋をしました

               毎晩星空を見上げては、届かぬ想いを星に
                                  願いつづけたのです

              ある日もう幼くはない少年はふと考える

          「世界で1番美しいのは   



                                    --------白雪姫?」
 

        

                  悲劇に打ち勝ち世界一の栄光を手にした
                          恐ろしい程美しい人格の白雪姫は

            人々を魅了し 林檎の甘い毒にさえ命を落とさない
               完璧なシナリオの上に存在する  僕の初恋相手は

            常に美しくありたいと願い
               甘い毒に手を染め 雷にうたれ儚く散った
                               かつて世界一だった
                               「お妃さま」と言う名の魔女と

                       いったい 何が違うのか
 
          その瞬間 少年は気付いた 

                     甘い毒に惑わされ悲劇におぼれ
                         世界一を奪われた悲しみに染まって


            ヒロインの描く魔性のシナリオにはまり
                     あげく 完全なる悪を背負わされた 
                                   一人の女性の存在に
   
        

                    -------本当の悲劇は誰に襲った?


                  シラユキヒメ・・?

                                違う     


             





                             オキサキサマ.. 

                                 


              少年は背筋が凍りついた
                 お妃さまをふみ台に自分の株を最上級にもちあげた
                        恐ろしい自分の初恋相手に

              そして今日もまた物語の最後のページで
          その恐ろしい女性は少しずつ、口角をあげていくのです


                  



                                            -END-

蜘蛛が堕ちてゆく

               ---------わたしには関係のないこと


日々命が消え、また生まれる

それなりのサイクルを守ってる地球の「あたりまえ」


わたしはそのサイクルのおかげで今日も快適に過してはいるし

こわしちゃいけないんだ この絶妙であたかも的確を装っているこのサイクルを


                                ---------------だけど


ただ、その蜘蛛が堕ちてゆく様子があまりにも儚くて


まるで わたしたちが日々淡々と進んでゆく 「人生」なんて名ばかりご立派な

ゲームの基本ルール 「社会は弱肉強食」 なんてあまりにも情のないレールを下っていくようで


それが、ただ嫌だったの ただ それだけ


いつか助けた蜘蛛は恩返しにくるかしら

どこか物語の蜘蛛さんみたいに地獄の血の海から私をひきあげてくれる?


そんなのはいらない、むしろ今わたしが無常にも生きている

平然と残酷なサイクルを守りつづける、この世界からひきあげて






                            -END-

「あなたなしじゃ生きれない」


本当にそう?


現実問題 人間は適度の睡眠、水分、食料 があれば

大病にでもおかされない限り生きていけるじゃない


きっと今あなたがこの世から

いなくなろうともわたしは生きる 


それでもわたしは今日も平気な顔で嘘を吐く


人は嘘に怒り嘘を責めるけど

この嘘を一度も責められたことはない

誰もがこの嘘に幸福を感じるから


嘘の地盤に生きる幸せなわたしたちは 今日も 嘘を吐き 吐かれ

そうやって ゆらゆらとした 甘い幸福に静かに堕ちてゆく


ほらそこに...                               






                      またひとり、またひとり


                                              -END-