解答速報が割れてるみたい(※追記:解消されたようですね!)ですが、天下の『憲法判例百選Ⅰ』(第6版:有斐閣)P181の、「皇居前広場事件」(最大判昭28.12.23)の解説見てるのかな?

 

なお、あくまで私個人が、解答速報作成途中に調べて得た情報を提供しているだけ…ということで。

 

その部分の問題文は約10行下↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 集会の自由に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして, それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

(中略)

ウ.市の管理する公園について,人の生命,身体又は財産が侵害され,公共の安全が損なわれる, 明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見される場合でないのに,その使用を規制するのは,集会の自由を不当に制限することになる。

 

※追記:TACの解答速報が既に公開されたし、解答速報割れも解消されたようなので、『憲法判例百選Ⅰ』(第6版:有斐閣)P181に基づく私個人が考えた解説を、約10行下から書いてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『憲法判例百選Ⅰ』(第6版:有斐閣)P181(齊藤芳浩教授解説部分)の右側に、下記(1)(2)の記載がある。

(1)上から7行目~

皇居前広場事「件の場合,判決は,①公園の損壊,②一般国民の公園利用の阻害,という2つの理由を挙げて,不許可処分を正当化している」

(2)中盤の段落冒頭~末尾

「ところで,集会利用に対する公園の使用拒否を正当化する理由として,本件の①②以外に,一般的には,以下のようなものが考えられる。…⑤公衆の生命,身体,財産に対する脅威…の場合は,単なる抽象的危険があるだけでは足りず,明白かつ現在の危険があるときにのみ使用が拒否できると思われる。」

 

この(1)は、天下の『憲法判例百選』に掲載された以上、少なくとも司法試験業界で最も有名な最大判昭28.12.23の“趣旨”の解釈といっていいだろう。

他方、上記(2)の「⑤公衆の生命,身体,財産に対する脅威…の場合」というのは、「単なる抽象的危険があるだけでは足りず,明白かつ現在の危険があるときにのみ使用が拒否できると思われる」という記述との共通性からしても、本問ウの“人の生命,身体又は財産が侵害され,公共の安全が損なわれる, 明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見される場合”とイコールと見ていいだろう。

 

とすると、本問ウの“人の生命,身体又は財産が侵害され,公共の安全が損なわれる, 明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見される場合”⑤と区別される、「①公園の損壊,②一般国民の公園利用の阻害」のおそれがある場合に、“公園の使用を規制する”「不許可処分を正当化している」のが最大判昭28.12.23の“趣旨”といえる。

 

よって、公権力“の管理する公園について,人の生命,身体又は財産が侵害され,公共の安全が損なわれる, 明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見される場合”⑤“でないのに,その使用を規制する”ことが正当化され、“集会の自由を不当に制限することに”ならない場合①②がある以上、本問ウは誤っているから、正解は2となる。