H30司法試験の中日ですが、受験生の皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
戦場で傷ついた心を癒すという主観的なことについては、記事『H30司法試験初日、おつかれさまでした!』で書いたので、この記事では、客観データを安心材料として提供したいと思います。
その客観データとは、司法試験の合格ラインの歴史です…皆さんの安心のため、その歴史から導かれる結論を先に書いておくと、
司法試験は、
・約半分が正解できる
・平均点を数%上回る
だけで合格ラインを超える試験である
ということです。
古代(H18~20)から見て行きましょう。
H18:合格点915点(約52.3%)<<平均点951.46点(約54.4%)
※1750点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数2091人→合格者数1009人(合格率約48.3%)
H19:合格点925点(約52.9%)<平均点941.69点(約53.8%)
※1750点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数4607人→合格者数1851人(合格率約40.2%)
H20:合格点940点(約53.7%)>平均点930.64点(約53.2%)
※1750点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数6261人→合格者数2065人(合格率約33.0%)
…最初の2年間はなんと、平均点より合格点の方が低かったんですね~これらの年に司法試験を受け(ということは、H16・17にロールートに乗り)、合格した人は、先見の明があったといえるでしょうか。
で、H21から、総合点計算の際に短答式試験の点数を半分にすることになったため、1575点満点となりました。
H21:合格点785点(約49.8%)>平均点767.04点(約48.7%)
※1575点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数7392人→合格者数2043人(合格率27.6%)
H22:合格点775点(約49.2%)>>平均点744.00点(約47.2%)
※1575点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数8163人→合格者数2074人(合格率約25.4%)
H23:合格点765点(約48.6%)>>平均点738.91点(約46.9%)
※1575点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数8765人→合格者数2063人(合格率約23.5%)
H24:合格点780点(約49.5%)>平均点761.08点(約48.3%)
※1575点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数8387人→合格者数2102人(合格率約25.1%)
H25:合格点780点(約49.5%)>平均点760.20点(約48.3%)
※1575点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数7653人→合格者数2049人(合格率約26.8%)
H26:合格点770点(約48.9%)>平均点751.16点(約47.7%)
※1575点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数8015人→合格者数1810人(合格率約22.6%)
…1575点満点中700点台後半の合格点(満点比率50%弱)が続くH21~26は、H30現在、“中世”と呼んでいいでしょう。
ところが、“青柳事件”があったH27以降の近現代は、合格点が800点以上(満点比率50%強)になりました。
H27:合格点835点(約53.0%)>>平均点793.16点(約50.4%)
※1575点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数8016人→合格者数1850人(合格率約23.1%)
H28:合格点880点(約55.9%)>>>平均点829.52点(約52.7%)
※1575点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数6899人→合格者数1583人(合格率約22.9%)
H29:合格点800点(約50.8%)>平均点780.74点(約49.6%)
※1575点満点。()内の“%”は点数/満点。
※※受験者数5967人→合格者数1543人(合格率約25.9%)
…中世と近現代とで、採点等が変わったことは間違いないと思います。
それでも、司法試験は、古代~中世~近現代を通じて、
約半分が正解できるだけで合格できる
=約半分が正解できなくても合格できる
ことに変わりはありません。
また、H18・19という合格点<平均点だった年を除けば、
合格点の満点比率-平均点の満点比率=約0.5~3.2%
なので、
平均点を数%上回るだけで合格できる
=“普通”よりちょっとだけ上乗せするだけで合格できる
ということも分かります。
ちょっとは安心できました?ヾ(@^▽^@)ノ