引き続き、その1末尾の私の返信に対する「(元)受験生」さんのコメントです(記事「2018年合格目標『4A基礎講座』(民法)のテキストです!」のコメント№3・4)。
※下記の司法論文過去問をまだ解いたことない方、ネタバレ注意!
・H27商法設問3
・H27民訴設問2
・H28民法設問2
・H28商法設問1(2)
・H28刑訴設問4
「お返事ありがとうございます。
模試等が本試験と似ているかどうかという点について,科目によりけりではありますが,商法は結構似てる,民訴は判例の中身をそのまま説明させる出題があったりと割と暗記寄りかな,民法は短答過去問でも出ていない条文を使わせたりとマイナーな出題の点で本試験とはあまり似てないかも・・・といった印象です。
あと分かる問題とわからない問題の落差が激しいとは思いました。模試答練だと全く手がかりすら掴めない問題がありました。
ただ,自分の知識不足,法的思考力不足なだけかもしれません。
周りの人は,演習書や百選を用いて学部時代からコツコツまとめノートも自作していわゆるロー生らしい地道な勉強をしている人が多いです。確かにレベル的には予備試験合格者も多く高いほうかなあと思います。
司法試験のレベルが高いと感じたのは,最近の問題では,H27商法最終問で新株予約権の行使条件を勝手に変えた判例(知らなかった)や,H27民訴の設問2で不利益変更禁止と相殺の論点(これは本当に問題点にすら気づけなかった(お恥ずかしい))や,H27(※中村注:H28だと思います)刑訴の最後の問題で公判前後の主張制限という最新重判から出題されている点(証拠提出制限の条文を見つけられなかった,公判前の後という事情と上手くリンクさせられなかった)や,H28民法設問2で,公序良俗違反は抗弁が切断されないという判例(気づきつつも,ビビって原則通り切断される処理をしてしまった。),H28商法で取締役の報酬について黙示の同意の議論を要する点(黙示の同意の話に気づけなかった),等でした。
(続く)」
「先生に言われてここ数日過去問を見直し,もう一度,自分が初見で全然できなかったなあと思ったこれらの問題について再現答案(1000~2000,BC答案)を洗い直してみました。たしかに,知ってて書いただろうという答案は体感で全体の3分の1程度かなと思いました(不利益変更の話は除く)。多くは問題点には気づきつつ,その場でなんとか捻り出した感じの答案でした。
ただ,民訴に関しては有名な判例(百選)に関しては解説に書いて有ること含め,適切な論述がされているのもそれなりにあるとも感じました。
また,民法は短答の肢にあったにも関わらず対応できなかったのは,やりこみが足りないのだろうとも感じました。
たしかに,知識に頼りたいという思考になりすぎていたかもしれません。
ただ,本番で,適切に問題点に気づきでっち上げでもそれなりの論述ができるのか,と言われると不安があります。」
これに対する私の返信は、以下のとおりです(記事「2018年合格目標『4A基礎講座』(民法)のテキストです!」のコメント№5)。
“突き詰めれば、これから本試験まで、
①知識の量・質をアップするか
②未知の「問題点に気づきでっち上げでもそれなりの論述ができる」能力を高めるか
③上記①②の両方(ブレンド具合も様々)か
ですよね。
司法試験の論文・短答過去問と、あなたがこれまでにやってきたことを踏まえて、あなたにとって最も“合格可能性”(≠点数)を高めると感じられることを、優先順位の上から本試験当日までやっていってください。
もしあなたが4A受講生なら、短答・論文過去問と4A論文解法パターン講義で扱った論文式問題を本試験直前までくり返し解き・書きながら、②を極限まで高めることを基本とすることを強くオススメします。ただ、①上記論文式問題で合格ラインに達するために必要なのに、どうしても正確に書けない規範等(くり返し解き・書きしていれば、かなり少数になっているはずです)を、直前1週間前~本試験数分前とかに付け焼刃で丸暗記することが必要かもしれません。
模試等で「商法は結構似てる」けれども他科目はそうでもないなら、「商法」だけ反省分析すればいいと思います。
あと、「司法試験のレベルが高いと感じた」点について。
「H28民法設問2で,公序良俗違反は抗弁が切断されないという判例(気づきつつも,ビビって原則通り切断される処理をしてしまった。)」はもったいなかったですね~なぜ「ビビッて」しまったのか、そこで「ビビ」らずに書くにはどうすれば良かったのかという敗因分析が、最も必要・有益です。
「H28商法で取締役の報酬について黙示の同意の議論を要する点(黙示の同意の話に気づけなかった)」ということは、「黙示の同意の話」をご存知ではあったと思うので、取締役の報酬についての解法パターンを確立し使いこなす訓練不足といわざるをえません(4A論文解法パターン講義(商法)では扱っています)…取締役の報酬パターンを確立し、本問等をくり返しくり返しくり返し解く中で、解答プロセスも含めて「完璧」に近づけていってください。
それ以外については、少なくとも当時は、合格ラインに達するには不要な点だったので、それらの過去問をくり返し解く中で解けるようにしていけばOKです。”
記事「司法試験超上位合格のBeforeその3」につづく!(^O^)/