ロー入試(未修)の面接試験(法的ではない問題)で4Aを活用されたレミーラさんから、興味深いコメント(記事「2018年合格目標「4A」系の講座関係の告知」のコメント№128・133・134)をいただいたので、そのエッセンスを紹介したいと思います。

 

「当方は経済学出身でやはり経済学的な思考のクセがあります。それを発動することを控え4Aを発動させ続けました。

 

実際、言葉に詰まった時に経済学的な見方から答えたのですが、面接官に全くかみ合わず見事に滑っているように思いました。法律の問題ではないとしながらも、少なくとも経済学的な思考では1ミリも届きません。与えられた問題が法律の問題かどうかはともかく、法律を生業としている方には4Aで答えるに越したことはない、という感覚でした。

ご存知だとは思いますが、経済学は自由な契約と市場における競争がもたらす効率性の利益を重視するので、それへの法的介入に対しては基本的に抑制的です。

経済学では「公平」や「正義」の中身は考えません。経済学は、人間の経済行動からどのような経済現象が生まれるかを語るものに過ぎず、何が「公平」なのか、何が「正義」なのかという価値判断は含まれません。

ですので、出題された「受動喫煙防止対策」についても、そもそも不要では?市場任せれば?と考えます。この対策の価値自体には意味がなく、立法者がこの立法することそのものによって何らかの政治的な得をするだけではないか?と思う訳です。

こういう「価値判断をしない」という訓練を経済学部で受けて一旦身につけてしまうと、その思考抜きに法律を見ることは難しく、法律の文章≒解答例がどうしてそのように考えて書くのか理解に苦しみます。実際、他塾の司法試験講座をフルセット回したものの自分自身では法律的な話を組み立てられるようにはなれませんでした。

中村先生の方法論による、「問題を解く」ことだけをターゲットにし、使うリソースを明確にし、4Aで骨格を作り「法律業界のお作法」を要所に入れて「解いたことになる」という訓練は、経済学的な思考と上手く両立できているように感じておりましたし、今回の面接でも経済学的な思考はアウトだったことを踏まえると、大きなパワーを持つものだと体感したところです。」

 

経済学的にはそういうふうに考えるのですね~私は経済学の端っこを聞きかじったことがなくはないのですが、そのような思考法というか、本質・神髄というかを学んだことはなかったので、すっごくimpressiveでした!ヾ(@°▽°@)ノ

そのような経済学的な思考法と対比すると、法的な思考法は詰まるところ、対立する利害を両天秤にかける限度で相対化しながらも、自分自身の全ての経験や人格といったものを懸け、なおかつ独善をできる限り避けて、エイヤと価値判断するという感じで私は捉えています。
4A系の講座・講義でも、私は究極的にはそのような思考プロセス例を実演し、伝えていきたいのだと再認識しました!

 

>「問題を解く」ことだけをターゲットにし、使うリソースを明確にし、4Aで骨格を作り「法律業界のお作法」を要所に入れて「解いたことになる」という訓練
という分析も、「ああ、そうだったのか!」という感じです。

私自身はとにかく、受験生が司法試験系のあの本試験現場で合格点がとれるようにするにはどうしたらいいか?ばかり考えて方法論・講座・講義を組み立ててきたもので、それがちょっと離れたところからはどのように見えるのかを伝えていただけると、自分がやっていることの大局的な意味合いがつかめてきます!(((o(*゚▽゚*)o)))