予備H29論文本試験まで、とうとうあと1週間ですね!

 

皆さん個々人の優先順位の上の方からできる限り潰していくことに変わりはありませんが、その中で、予備論文本試験の超直前期に特に意識しておくべき点について注意喚起します。

 

これまで、くり返しくり返しくり返し論文過去問等を解く(+できる限り答案を書く)中で、様々な知識が、異常な心理状態に追い詰められる論文本試験現場でも使いこなせる“自然と身についた”記憶・理解として蓄積されてきたはずです。

しかし、この超直前期に至っても、どうしても“自然と身につかない”けれども合格に必要そうな知識がわずかに残っているでしょう。

このような知識については、全てリストアップした上で、

・テキスト等の該当箇所に付箋をし、その知識のキーワードにチェックペンでマークして反対色の透過シートで隠し、黒くなったキーワードを瞬間的に口に出せるようになるまでくり返す

・単語カード等を作って、表面のテーマから裏面の知識を瞬間的に口に出せるようになるまでくり返す

・不要紙にくり返し殴り書く

等して、付け焼刃的に詰め込み暗記をするしかありません。

(cf)記事「『論点の論証』≠条文の解釈

 

ここで、“合格に必要そうな知識”に当たるかどうかは、これまで皆さん自身が論文・短答過去問をくり返し解いてきたことで鍛えられてきた感覚で判断すればOKです…が、それが難しく、かつ4A論文解法パターン講義の受講生なら、

・予備論文過去問

・4A論文解法パターン講義で扱った問題

の範囲の知識で充分すぎます(その範囲外の、4A条解講義や新旧司法論文過去問の知識は、出題されても加点事由にとどまります)。

これらを「完璧」に近づけることが予備論文合格の必要・充分条件だ…と常々言っているとおりです。

 

ちなみに私は、最終的に、単語カード方式で10個未満を旧司論文本試験会場に持って行った記憶があります(しかも、付け焼刃的に詰め込み暗記をした知識は全く出題されなかった…)。

 

 

あと、先日の『予備試験 4A集中特訓道場』で予備論文受験生の多くに不足していたのが、

各問の解答プロセスの明確化(・言語化)

②“基礎”知識(特に処理手順・解法パターン自体を構成するもの)の精度

でした。

 

①は、具体的には、

・問題文をどこからどのようにして読んでいくか+その理由

・どの科目・設問・小問から解く・書いていくか+その判断基準・要素+同基準・要素へのあてはめ

・4Aを各科目で具体化した解法パターンのうち、どれを選択するか+その理由

・4Aの各段階の処理+その理由(着目した問題文の箇所等も)

・答案に書く内容の優先順位+その理由

等を明確化(できる限り言語化)することをいいます。

これができて初めて、“処理手順の確立”という、司法試験系合格のために最も重要なことができたといえるのです。

くり返しくり返しくり返し解いていると、論文式問題でも無意識的・感覚的に解けてしまう境地にまで達する場合があります。それでも合格しうるので必ずしも悪くはないのですが、上記のような解答プロセスを明確化しておくと、難問奇問が出題されても(今年も少し出題されるでしょう)、その明確化した解答プロセスに基づいて揺らぐことなく安定的に対処できる可能性が高まり、さらに合格可能性を高めることができます。

 

②は、例えば、刑訴法の証拠能力パターンの法律的関連性のうち、自白法則(刑訴法319条1項)を検討すべきかどうかを判断するためには、問題文の事情を「自白」の定義にあてはめてみる必要があります。

さて、「自白」(刑訴法319条1項)の定義を口に出せますか?

…と問われてから5秒以内に最後まで言い切れなければ、特段の事情(ex.ちょうど乳児が泣き出した)がない限り、少なくとも刑訴法の証拠能力パターンについては“処理手順の確立”ができていないと考えるべきです。

こういった解答プロセス自体を構成する知識は“瞬殺”できるレベルにしておかないと、問題を正確に処理することも、時間内に答案を書き切ることも難しいからです。

 

 

以上はあくまで参考までに…あなたがやるべきことは、あなたの個性・環境、これまでにやってきたこと等によって一人一人異なりますから。

ひょっとしたら、1週間しっかり休む・遊ぶべき人もいるかもしれません。

 

試験対策は、本試験直前になればなるほど本試験に直結する効果を持ちますから、日々その効果・価値が高まっていきます。

自分自身や想定される敵(論文過去問等や他の受験生)と対話しつつ、悔いのない対策を!(^O^)/