という本(原題『How We Learn』Benedict Carey[著]・花塚恵[訳]:ダイヤモンド社)を、大阪出張の帰りの新幹線以降、読みふけった。

 

『4A基礎講座』等の私の講座・講義のコンセプト・カリキュラムの理論的裏付けや、講座・講義をさらに進化させるヒントが満載だったからだ。

分かりやすいところを挙げると、例えば、「知らないことをテストする『事前テスト』」(同書P144)が「学習効率を高める」(P145)ことが判明した実験は、法的知識ゼロでいきなり問題を解くところから始める『4A基礎講座』のカリキュラム等の根拠となりうると思った。

 

他にも方法論系のネタがたくさん得られたので、今後、本書の内容を、司法試験系をはじめとする試験対策に適用・応用していく記事を、断続的に書いていこうと思う。

 

なお、私は、“脳”系の研究や言説をまだ割と懐疑的に見ているんだけど、おそらくこのタイトルや本文中で“脳”に言及したわずかな部分は、“脳”に興味ある読者の興味をひくために便宜的に書かれたものだと思う。

本書の大部分を占めるのは、原題どおり『How We Learn』=勉強法についての様々な心理・教育学的な実験の紹介である。実験のプロセスから書かれているので、「どうなるんだろう?」とワクワクしてくる(のは、私のような勉強法マニアだけかもしれないが)し、その実験があやしくないかどうかを読者自身が判断できるようになっているのもいい。勉強法の本って、胡散臭いものもたくさんあるからね…。

できれば、本文とリンクして巻末にリストアップされている実験についての論文まで読みたいんだけど、英語だし、さすがにそこまでの暇はないなあ…