を、いくつか紹介してみようかと。


まず、過去問の中で最も興味深いと思ったのが、平成24年度第11問。

冒頭の「日本の農林水産業と貿易」についての(専門的な)知識はなくても解けるから、ぜひ解こうとしてみてほしい。

 

 日本の農林水産業と貿易に関する記述として明らかに誤っているものを,次の1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[№11])

1.日本が輸入している小麦・とうもろこし・大豆の最大の輸入相手国は,1990年代まではアメリカであったが,2010年現在はいずれも中国となっている。

2.日本は国土面積の7割弱が森林であり,1960年には木材供給量の8割以上を国産材が占めていたが,2010年現在,外材供給量が国産材を上回っている。

3.日本の漁獲量は1980年代前半まで世界最大であったが,遠洋・沖合漁業の衰退とともに漁獲量が減少し,2010年現在,日本の水産物輸入金額は世界最大となっている。

4.日本は1990年代半ば以降,ウルグアイ・ラウンドを契機としてミニマム・アクセス米の輸入を開始し,2010年現在,主にアメリカやタイから米を輸入している。

5.2010年現在,日本の食料自給率(熱量換算)は1960年の約半分となり,とくに米以外の穀物や果実,肉類,乳製品の自給率低下が顕著である。


正解は、リンク先(pdf) の第11問の解答をご覧あれ。

これ、食料品の産地を気にして買い物している人には瞬殺できる問題のはず(何を買っているかにもよるけど)。

出題者が受験生に、「買い物くらいは行こうよ~」と言っている感じ。

「教養」ってとても多義的・曖昧な言葉だけど、出題者が、こういった日常生活での経験的なことまで「一般教養」と捉えているとすると、懐が深いね。



あと、司法試験系の多数を占める文系受験生にも解ける理系の過去問を挙げるとすると、直近の平成27年度では第21問がおもしろいかな。


 円筒が水平面上を滑らずに転がり, その中心は等速運動をしているとする。その円筒表面上に固定された一点の運動に関する記述として明らかに誤っているものを,次の1から5までの中から選びなさい。(解答欄は,[№21])
1.点が水平面上に位置する瞬間, 点の速さは0である。

2.点の速さは点が最も高く位置する瞬間に最大となる。

3.点の軌跡は一部がループ(閉曲線)となる。

4.点の加速度ベクトルは変化するが, その大きさは常に一定である。

5.点が水平面上に位置する瞬間に, 点の加速度ベクトルの鉛直方向上向き成分は最大となる。


…解い(てみようとし)た?

正解は、リンク先(pdf) の第21問の解答をご覧あれ。

この問題の初手は、その手に持っているペン(円筒形がほとんどのはず…あ、でも六角形の鉛筆を使う人も多いかσ(^_^;))を転がすこと!表面に点状の傷でも付ければ、本試験現場で“実験”できる。

まあ、それでも問題文の言葉が難しいとか、適切に観察できるかといったハードルは残るけど、頭の中でゴチャゴチャ考えているよりは、正答可能性はよほど上がるはず。

出題者は受験生に、「頭デッカチになるな!手を動かせ!!」と言っているような。



こういった解法をフル活用すれば、高尚な「教養」なくても予備短答一般教養40点前後! とることができます。

短答過去問解法分析講義 の一般教養科目部分では、全過去問(平成27年度含む)について、このような解法を解説したレジュメを配付し、1回の講義あたり1年度のほぼ全過去問(平成27年度含む)につき、知識がない場合にどのようにして解くのか、そのプロセスを実況中継しています(“ほぼ全過去問”というのは、問題文の題材の著作権者に使用許諾をいただけなかった英語・現代文の一部の過去問については、抽象的な解説にとどめざるを得ないからです)。

平成28年度の予備短答本試験まであと10日ほどですが、最後のとどめにいかがでしょうか?

多くの受験生に役立つと確信しているので、ウザいかもしれませんが度々宣伝させていただいてます!(°∀°)b