最近、予備試験対策の論文答練の受講を考えている受験生の方から、下記のようなコメントをいただきました。

「結局のところ、答練があって、その後に『全体の受験生が何を書いたのか』を教えてくれる講座でなければ、今回の私の受講目的(※中村加筆「『ある問題が与えられたときに、平均的な受験生が何を書いてくるのか』を知る」)が果たせません。
そういうことから考えれば、たとえ母集団が大きかったとしても、採点をするだけして、あとは完全解の解説に終始するような答練なら、求める効果が得られないことになりそうですね(笑)」

このような、「『ある問題が与えられたときに、平均的な受験生が何を書いてくるのか』を知る」目的で論文答練を受けるというのは、論文本試験における合格ラインを定める“相対評価”の意識を磨くという観点から、非常に有益になりえます。

ただし、予備校オリジナル問題の答練は、論文本試験の問題の質には遠く及ばないものがほとんどですから、論文本試験とはズレた“相対評価”の意識になってしまうおそれがあります。

これを避けるには、自分の受ける論文本試験全過去問をくり返しくり返しくり返し解いて「完璧」にし、その際に合格ラインギリギリも含めた複数の再現答案も分析して、論文本試験における“相対評価”をある程度把握した上で受ける必要があるでしょう(ただ、そこまでやったら、もう合格ラインは見切ったから予備校オリジナル問題の答練は受けなくていいや…となる人が多そうな気もします)。

これに対し、『4A実践答練』は、ほぼ全問を、全国の膨大な法科大学院入試過去問から厳選した良問で構成しています(cf.記事『4A実践答練とは? 』)。

法科大学院入試の過去問は、予備試験・司法試験の作問者とも遜色のない、一流の方々が作問されているでしょう(実際、“過去問信者”の私が見ても、予備試験・司法試験論文過去問より良問ではないか?と感じるものすらあります)から、問題の質が悪いために“相対評価”の意識がズレるおそれは、最小限に抑えられます。

加えて、受講生の皆さんに添削答案を返却する頃に、“講評”と“受講生答案”を配布します。

“講評”は、私自身が、皆さんの添削済み答案を見て、全体的な出来から算出した各試験における相対的な合格ラインを示した上で、特に答案の書き方を中心に、要注意事項等について、解説講義の補足をするものです。

“受講生答案”は、私自身が、皆さんに提出してもらった答案の中から選出した、皆さんに参考になると思われる答案です。

これらを読むことで、“相対評価”の意識を鍛えていただいています。

以下、昨日WEB-SCHOOLの「教材」欄にアップした『4A実践答練』(基礎答練)商法第1回の講評の一部を、ネタバレにならない限度で、以下コピペします。
「~について言及している答案が、4割強ありました。」
「問題文中の~をどう評価するかについて、ほとんどの答案が検討できていました。」
「~に関して、その理由(~)が正当かについて検討している答案はほとんどありませんでした。」
「~に言及している答案は半数ほどあり、予想より多くて良かったです。条文の文言の一言一句に問題文の事情をあてはめることができているのでしょう。」
「~を指摘した答案は約4分の1と少なく、さらにその理由について的確に書いてあるものはわずかでした。」
「~について、ここで言及している答案はほとんどありませんでした。」
「講師作成答案例23行目~のように問題文の事情をフル活用できていた答案は、ほぼ皆無でした。」


…第1問の小問1だけで、『全体の受験生が何を書いたのか』に関する記述がこれだけあります。

私も受験生時代、こういう情報が欲しかったので。