4A基礎講座の4A論文解法パターン講義で、
「旧司論文過去問をあまり採用しないのはなぜ?」
「なんでロー入試の論文過去問をたくさん採用しているの?」
といった質問をくり返しいただくので、この記事で回答させていただきます(以前いただいた同様の質問に対する回答とほぼ同じですが)。
まず、4A基礎講座の4A論文解法パターン講義は、予備試験・ロー入試だけでなく司法試験も視野に入れて、出題可能性のある全パターンの解法を網羅することを第一目的としています。
そのような目的を達成するために、たまたま、旧司論文過去問(もちろん、昭和24年度~平成22年度全て、受験生時代から分析研究しています)より予備試験・ロー入試論文過去問の方が良いものが多いということです(でも、1つ前の記事にもあるとおり、刑法では、旧司論文過去問の方が良いものも多いので、結構採用しています)。
また、上記の観点で同等の問題が複数あるときは、さらに具体的な内容も含めて比較吟味していますが、予備試験・ロー入試論文過去問の方が、問題文の事情を使わせる作りになっていることが多い(反面、旧司論文過去問の古い方では、問題文の不足を補う場合分けが普通に求められることも多い)等、今の司法試験・予備試験・多くのロー入試の傾向に合わないという理由で切ることもあります。
さらに、旧司論文過去問集は、『スタンダード100』をはじめとして結構良いものが入手できるのに対し、予備試験・ロー入試論文過去問の教材は、良いものが市場にほとんど出回っていないので、これを提供した方が受験生の利益につながるのではないか…ということもちょっと思っています。
なお、このような質問をくり返しいただくことは、やや想定外でした…既に終わった試験である旧司の論文過去問を解きたい・解いてほしいというニーズは、ほとんどないだろうと思っていたからです。
確かに、旧司論文過去問も題材にしている自主ゼミ等が結構あることは、以前から聞いていました。
しかし、やはり、
・司法試験対策には司法試験の過去問
・予備試験対策には予備試験の過去問
・ロー入試対策には志望するロー入試の過去問
をくり返しくり返しくり返し解くことが最も効果的であることは明らかです。
受験生の皆さんの視点からしても、旧司論文過去問の優先順位は、自分の受ける試験の過去問と比べて1つ以上落ちるはずなのです。
つまり、理論的には、自分の受ける本試験の全過去問はもう「完璧」にしたよ~という方のみ、旧司論文過去問等まで手を広げる 資格があります。
そして、実際にも、自分の受ける本試験の全過去問を「完璧」にするだけでも大変な受験生が大半ですから、旧司論文過去問等まで手を広げる 前に、相対的に、合格可能性が充分高まるのです(cf.記事「“過去問だけで合格”の真意 」)。