来年度の4A基礎講座には、今年度の『法律基本科目答練』に代わって、『4A実践答練』という論文答練を併設しています。

この答練についての問い合わせを結構いただいているらしく、担当社員から、「よかったら記事にして!」と言われたので、書いてみますね~。


○『4A実践答練』の目的

パンフP9にもあるとおり、初めて見る論文式問題に直面して、「4A」を実践し、実際に答案まで書けるのか、試していただく点にあります。

確かに、4A論文解法パターン講義でも、4Aを使って論文式問題を解くプロセスを、受講生の皆さんが考える時間を適宜とりながら進めていますし、その復習として、同講義で扱った問題を自力でくり返し解いているとは思います。

しかし、4A論文解法パターン講義では、私のガイド・ヒントがあるので、皆さんは完全に自力で解いているわけではありませんし、復習段階では、一度見た・解いたことのある問題を解く経験しか積めません。

また、添削・採点もしてもらえないのに、厳密に制限時間を守って答案まで書くのは、なかなか難しいのではないでしょうか。

そこで、「4A」を実践して、論文本試験現場における“実戦”力を高めていただくため、『4A実践答練』を4A基礎講座に併設したのです。


○『4A実践答練』の内容

来年の4/16から始まるので、そろそろ作り始めようか…というところです。


・問題について

今年度の『法律基本科目答練』や4A論文解法パターン講義で扱った問題とは全て異なる問題にしますが、従来の論文答練の“新作”という概念に当たるかどうかは微妙です。

というのは、おそらくこれが他の答練と比べて最も特徴的なところなのですが、今のところ、法科大学院入試の過去問を中心にしようと考えているからです。


なぜ、法科大学院入試の過去問なのか?

やはり、過去問至上主義の私としては、予備校オリジナル問題より、新旧司法試験・予備試験・法科大学院入試いずれかの過去問の方がクオリティ・教育効果が高く、より効果的な試験対策にもなることが多いといわざるを得ません。問題を作成する人・時間・費用等に隔絶した差があるからです。

そこで、上記過去問の4択になります。

まず、新司法試験の過去問は、

①4A「基礎」講座の受講生には初学者もいる(というか、初学者の方にどんどん来てほしい!)ので、まだちょっとハードルが高い

②1問解くのに2時間、そこからさらに解説講義というのは、時間的にきつい受講生が多いと思われる

③もう既に解いたり答案を書いたりしている受講生も結構いると思われる

ことから、不採用です。

次に、予備試験・旧司の過去問は、上記①②はクリアできるのですが、③がクリアできません。

これらと比べると、法科大学院入試の問題は、①②③がクリアできますし、問題のクオリティ・教育効果としても、新旧司法試験や予備試験と遜色ないどころか凌ぐものすらあります。

そこで、司法試験・予備試験の対策としても充分効果がある問題を、使用許諾をいただいた法科大学院入試の全過去問から、私自身が厳選します。

実際、予備試験H25論文式試験(憲法)は、今年度の4A論文解法パターン講義で扱った、北海道大学法科大学院2010年度第1問とよく似た応用問題だったりします。

というわけで、まず、問題のクオリティにおいて、他の答練に負けるわけがないと思っています。


このように過去問を使うことで、問題作成については“手抜き”をしています。

しかし、これにより空いた多大な時間と手間を、問題分析、答案例を含めた解説レジュメの作成、解説講義の練成にぶち込めるのです。

なので、これらについても、他の答練に負ける気は全くありません


「答練とは何か?」「何のために受けるのか?」「何のために作るのか?」

こういった根本的なところから1歩ずつ考え直していった結果、必然的に、このようなスタイルが導かれました。

悪いことなしのスタイルなので、おそらく、このようなスタイルの答練が、今後のスタンダードになっていくのではないかと思います。


・解説レジュメについて

私自身が、4A論文解法パターンテキストに近い形で作ろうと思っています。

答案例も、私自身が、4Aを使って一貫した答案スタイルで作成します。

講師自身が答案例どころか(答案例を作成することもまずないと思います)解説レジュメまで全て一貫して作成する答練というのは、少なくとも私は受験生時代から聞いたことがありませんし、予備校の人事システム上、今後もしばらくは出てこないのではないか…と思います。


○『4A実践答練』の実施

・実施プロセス

渋谷校で、水曜の夜18:30~21:30(社会人の方でも、来られる可能性のある時間にしました)に教室をとっているので、渋谷校に来られる方は、緊張感を持ちつつ、制限時間を厳格に守らなければならない環境で受講できます。

1回当たり2問の論文式問題について、持参していただいた六法(本試験で使用する六法が望ましいことはいうまでもありません)だけを参照できる状態で解き、答案を書いてもらいます。

制限時間は、出題する法科大学院入試過去問によって異なるので、パンフP14にあるように、今のところ、120分前後としかいえません。出題する問題が確定し次第、お知らせします。毎回の答練開始前にお知らせします。


答案を提出した後は、私が、どのように問題文を読み、4Aを使ってどのように解き(答案構成し)、答案を書くべきだったのかという、4A論文解法パターン講義と同様のプロセスで解説講義をします。

これを、皆さんの問題文の読み方・解き方・答案の書き方と照らし合わせて、4Aの使い方を適宜修正していってください。


その一定期間後に、基本的には私以外の弁護士(問題・添削のコンセプトは伝達済)が添削・採点した答案を皆さんに返却します。これにより、客観的な採点者の着眼点(→絶対的な合格ライン)と、今後の勉強の方向性が見えてくることでしょう。

加えて、そのころに、“講評”と“受講生答案”も配布します。

“講評”は、私自身が、皆さんの添削済み答案を見て、全体的な出来から算出した各試験における相対的な合格ラインを示した上で、特に答案の書き方を中心に、要注意事項等について、解説講義の補足をするものです。

“受講生答案”は、私自身が、皆さんに提出してもらった答案の中から選出した、皆さんに参考になると思われる答案です。

これらを読むことで、相対的な合格ラインの感覚が把握できるようになってくることでしょう。

確実に合格するためには、合格ラインを“見切って”、それをヒョイと1歩またぐだけでいいのです。


・実施回数

基礎答練が全20回(憲3、民5、刑3、商3、民訴2、刑訴2、行政2)、応用答練が全3回(公法系1、民事系1、刑事系1)と、かなり少なくしています。

4A基礎講座と同様、前記『4A実践答練』の目的を達成できる最小限の回数に抑えました。

そうしなければ、消化不良になってしまい、かえって有害になりかねないからです。

各所で何度も言っていますが、本質的に重要なのは、“くり返しくり返しくり返し”解くことです。問題数が多ければ多いほど、くり返し解く回数が減り、定着度が弱くなってしまいます。そういうふわふわした状態で本試験に臨んで足元をすくわれた受験生がいかに多いことか!

勉強の量は極力減らして、質を上げるべきです。


基礎答練では、予備試験・法科大学院入試の大半で出題されるような、基礎的な問題を出題します。基礎答練を受ける一般的な目的は、①4Aを使って論文式問題を解くパターンを実践して確立し、②確立したパターンを基礎的な論文式問題で安定して使えるようになることです。

応用答練では、予備試験・法科大学院入試でいくらか出題されているような、応用的な“難問”を出題します。応用答練を受ける一般的な目的は、①基礎答練で実践的に確立したパターンを応用的な難問でもブレずに使いこなせるか試すこと、②本試験直前期に備えて、複数科目の同時並行的な予習に慣れておくことです。


○個別答案指導 NEW!!

4A実践答練(全科目)か、下記の4A基礎講座パックをお申込みの方への特典として、私自身が、皆さんの答案(構成)を見て、具体的な改善策等のアドバイスをする「個別答案指導」を、定期的に実施します(cf.パンフP21)。

たとえば、下記のような利用方法が考えられます。

・私以外の弁護士の添削・採点に納得がいかないので、その答案を私に見せてみる。

・自分が受ける本試験過去問のうち、4A基礎講座等で扱わなかった問題の答案について指導を受ける。

・4A基礎講座で扱った問題の答案を自主的に書いてみて、勉強の方向性が正しいか等について指導を受ける。


個別答案指導は渋谷校で実施しますが、ご来校が難しい方のために、答案(構成)をスキャン(コンビニのコピー機でもできるはずです)等したデータをメールに添付して送っていただいたものを私が見て、電話で指導することもできます。


「個別指導こそが中村の真骨頂だ」と、ブログ『司法試験情報局』のNOAさんに常々言われていますし、私自身も正直そう思っています(*゚ー゚)ゞ

皆さんの個性・環境を踏まえて、最適な時期に最適な勉強法を提示して、最も効率的に、皆さんが本試験に合格するための能力を伸ばすお手伝いをしたいと思っています。

これは、実は私にとっても非常に楽しいことなんです!


○4A基礎講座パック

最後に、4A基礎講座と4A実践答練を併せた『4A基礎講座パック』は、早期に申し込むほど割引幅が大きいみたいなので、よかったらご利用ください。

でも、熟慮してから申し込むことも大事なので、バランス良く…ね。

パンフ表紙裏の、本格的な試験対策を始めてわずか8か月後に今年の予備試験に最終合格した、4A基礎講座の受講生K.A.さんと対談したときに伺った勝因は、「入念な下調べをした上で、これだと決めたら盲目的に突き進んだこと」でしたから。