まず、理論的には、NOAさんが「十年後の受験生へ 」で語っているとおり。
常に、「目的」に定位して考える
これさえできていれば、間違えることはありません。」
「今も、そして十年後も、教材なんて、何を使ったっていいのです。
あるいは、手段なんて、何でもいいのです。」

これは、(新)司法試験・予備試験受験生の短答式過去問集については、現実的にも、そのままあてはまる。
これまでの(新)司法試験・予備試験の全過去問が入っているものの中から、100%自分の好みで、好きなものを選んでください。好きなものを選べば、やる気も出やすいし…くり返しが物を言う短答式対策では、これ大事。
一応、可処分時間の少ない人は解説の短いものが好みなんじゃないかなあ…とは思うけど、そうでない人もいるでしょう。
とにかく、自分の直感で選べばそれでOK!レイアウトとか、カバーのデザインとか、重さとかでも選んじゃって全然OK!!
肝心なのは、それをくり返しくり返しくり返し解いて“完璧”にすること。

現実的に難しい問題が生じるのは、ターゲットをロー入試に絞っている人。

まず、受験予定のロー入試が、日弁連法学既修者試験の成績を提出させるなら、その過去問集が市販されているので、何らかの形で入手してほしい。司法試験の過去問と比べると、かなりクセのある問題が多いので、少なくともこれに慣れることは必須だから。
しかし、最近の過去問集は直近3年分しか収録されておらず、上記のクセとか結構出題傾向に変動があること等を考えると、網羅性には欠けるといわざるを得ない。実用性という面からみても、年度別でしかないし、年度内でも、必ずしも条文とかいわゆる基本書“体系”の順序に沿った問題配列ではないし、問題文と解説が離れた位置にあるし…で使いにくいと思う。

また、慶大ロー(上三法のみ)とか千葉大ロー(全科目)とかでは、例年、独自の短答式試験を課してきたし、やはりクセが強い問題なので、少なくともこれに慣れることは必須。しかし、信頼できる解答・解説は、少なくとも私の知る限りでは、入手できない。時間があれば作りたいとずっと思っているんだけど、ずっと時間がとれないんだわ~。

他方、将来的には司法試験を受けるということで、(新)司法試験の全過去問をつぶすという手も考えられる。これは、マイナスにはならないし、網羅性も充分だが、充分“すぎる”ので、あまり時間がない人には勧めにくい。

その中間あたりを狙ったと思われる過去問集(タクティクスとか)もあるが、全問は載っていない(よね?)以上、その問題選定が信頼できるかどうか…信頼できるなら、それを使えばいいと思う。

というわけで、明確な結論は出せないんだけど、もし僕がこれからロー入試を受けるなら、まず日弁連法学既修者試験の過去問集を“完璧”に解けるようにして、あとは時間の許す限り、(新)司法試験・予備試験の全過去問(体系順)を解くという優先順位思考でいくかなあ。

なお、肢別に分解されているのは、過去問の1問単位の教育効果(「新旧司法試験・予備試験の短答式問題には、1問ごとに裏テーマがある 」)が阻害されてしまうし、他の肢との比較で解くテクニックや、他の肢との関係で迷ったときの対処法も鍛えられないので、個人的には嫌い。
でも、これが好きな人にとっては、1問単位の過去問集より効果があるかも…という気がしなくもない。

結局、好きこそ物の上手なれ…かと。