1つ前の記事で、論証について、
「①問題の所在を把握し、条文の文言に位置づける
②その条文の趣旨を、現場で想起できる程度におさえる
③その条文の趣旨からリンクして結論を導けるキーワード及びそのリンク過程を、現場で想起できる程度におさえる
という作業を、できるだけやっていた。」
と書いた。
が、実家に帰って、久々に論証関係の資料をザッと確認したところ、このうち②と③は、少なくとも合格した年には、あまり意識してやっていなかったことが判明しました。
たぶん誤解を招いただろうと思うので、お詫びして以下のように訂正します。

合格した年には、論証で加点を狙う費用>>>効果という考え方になっていたので、
○論証で減点されないよう、
・受験界標準(多数の答案からなんとなく判断)に合わせ
・必要なキーワード(皆がほぼ書いてくるフレーズはどれか、この論証を一言で済ませるとしたらどのフレーズを使うかといった観点から判断)を盛り込み
かつ
○他のところに時間をかけて点を稼ぐため、できるだけコンパクトにする
というコンセプトだった。

そこで、全過去問について、数通の答案から総合的にベターなものを1通選び、その答案に含まれる論証について、キーワードにしるしをつけ、
・趣旨からのキーワードリンクパターン
・対立利益の調和パターン
・原則例外パターン
などの論証の流れが自動的に目に入ってくるように、自分なりに色分け的な加工をしていた。(※論証部分だけではなく、問題提起・結論、要件・規範、趣旨なども色分け的な加工をしていた。)
その後も、全過去問について、選んだ答案をダーッと読み流したり、本番同様に答案構成や答案書きをしたりするなど、様々な形で3~5周くらいしていた。
すると、過去問で何度も出てくる論点のほとんどについては、寝てても論証が書けるほどになり、過去問で出てきた回数の少ない論点ほど、キーワードと論証の流れ程度の記憶のみが残るようになった。
これにより、論点の重要度ランク付けが合理的かつ自然にでき、「自分が書けないものは皆も書けない」といった相対評価の意識に自信を持つことができる一因となった。(※これは、論証以外の事項も同様。)

あと、「①問題の所在を把握し、条文の文言に位置づける」ことは、合格した年には明確に意識してやっていた。
全科目、原則として、論点単位ではなく条文単位で処理をするという方針になったので、この作業は不可欠だった。

…という感じが、正確な記述だと思います。

あともうひとつ、1つ前の記事で、ローで論証パターンの需要が再燃しつつあるみたいなことも書いた。誤解防止のために書いておきたいんだけど、俺が新試の公法系・民事系の再現答案を10通ずつ見た限りでは、新試の論文答案では、旧試の論文答案に比べて、論証パターンの必要性がかなり小さくなっていると思う。