数年前、一番近しかったママ友が自死した。
親しかったのではない。
近しかったが正しい。
家が近かった。
子どもの年齢が近かった。
という意味で。
そのママ友は、
子どもの頃、自分は神童と呼ばれていた。
と自ら言った。
母親が英語塾の先生で、
幼少期から厳しくしつけられ、
小学校低学年で英検2級に到達したという。
しかし、神童でも、
20歳すぎればただの人の部類で、
勉強はそこまで伸びず。
英語は、時間をこなせば誰でもある程度できるようになる。
だってアメリカ人やイギリス人は全員英語が話せるわけで。
でも、それ以外の勉強は生まれ持ったものも大きくて、
誰も同じようには伸びて行かない。
他の教科が伸びないことで、
母親は厳しく当たり、
本人も強く劣等感を感じるようになる。
母親から愛情を感じることができず、
今、距離を置いて暮らしている。
といっていた。
私と同じだね、と話が盛り上がった。
しかし彼女は、
厳しい母親がいやだったのに、
自分の子どもを厳しく育てていた。
家庭保育園(100万くらいのやつ)を購入し、
ディズニーワールドイングリッシュを買い、
絵本が1000冊くらい家にあり、
自然体験にも熱心。
子ども専用のツアーやキャンプで、
低学年から海外にも数回行かせた。
でも4年生くらいから
子どもは暴言や暴力が始まって、
どうにもならないくらいに荒れた。
ママ友も自分の気持ちをコントロールできずに
子どもを叩いたりするようになり、
「診療内科に行ったら」と声をかけたが、
「自分は鬱じゃない」と言い張った。
そして、さらに荒れて、
夫婦喧嘩の末に自殺した。
子ども二人を残して。
2代に渡る愛着障害。
今、お子さんは高校生。
皮肉にもお母さんが亡くなってから
いい子になった。
心に闇を抱えているといけないので、
近所で会えば声をかけるようにしているけども。
いやな思いをたくさんして、
これからはとにかく楽しく生きてほしいと
それだけを願っている。