秋には毎年、渋皮煮を作ります。

栗は外側の硬い鬼皮を剥くと繊維質の渋皮に包まれています。

 

渋皮煮は、渋皮を傷つけないように鬼皮だけを剥いて、アクがなくなるまで

丁寧に茹で砂糖シロップにつける和菓子です。

 

渋皮も剥いてシロップにつけたものは甘露煮と言います。

 

丁寧に作られた渋皮煮は九州のクルーズトレイン「ななつ星」にも出されたり、

高級なモンブランの上に乗っていたりします。

 

渋皮煮は甘露煮に比べると、5倍くらい手間がかかります。(個人の感想)

手間がかかりますが、思ったようにうまく作れないので、研究魂が燃えるのでしょうか?

 

どんなに研究したところで、誰にも伝わらないのですが、毎年、どうしたら

おいしい渋皮煮を作れるかとひとり研究をしています。

 

とはいえ、研究については報告したところでなのでw

今日はざっとつくり方だけ、ご紹介してみましょう。

 

 

朝取りの無農薬の栗を直送してもらいました。

色々サイズが混ざっていますが、火の通り方が違うので

私はサイズを分けて作業をします。

 

鬼皮だけを剥いて、重曹を大匙1杯いれて、水を多めに入れて

火にかけます。この鍋の中の栗は1.5キロくらい。

 

泡と一緒にアクがぶくぶく浮かんでくるので、

鍋の前でアクを掬いながら、コトコトと沸騰後15分くらい茹でます。

 

15分後。真っ黒。魔女鍋っぽい。

 

水を足しながら少しずつ温度を覚ましつつ、お湯を捨て、

水かえ。私はこの段階で栗を1つずつ優しく洗って、繊維を取り除きます。

 

繊維は3度目の後だともっと簡単に取れますが、3度目の時は

皮も柔らかくなっているので、破けてしまうことがあるのです。

お好きな時に取り除いてください。

 

この時点で、虫食いやダメージのある栗は、渋皮が黒くなって

いるので、わかります。

 

結構な数がダメなんですよね。自然のものは難しいですね。

そのまま、料理して、最後に皮を剥いて確認して、

渋皮入りのペーストにしたりできますよ。

 

また、水を張って、重曹を入れてもう一度繰り返します。

3回目は重曹を入れずに、水だけで、もう一度。

 

大きい栗の時は4回目も水煮する時もありますが、

今回は小ぶりなので、3回目で終了にして、

三温糖(または上白糖)のシロップ、およそ砂糖1キロ:水1キロ程度の中に

いれて5分ほど煮る。シロップを沸騰させてはいけません。

 

そのまま、1日、シロップにつけておくと味が染みます。

 

上白糖やグラニュー糖で作るとシロップがきれいな紅色になります。

私は三温糖の優しい甘さが好きです。

三温糖のシロップは黄色っぽく(写真 右)なります。

 

この写真の2つの違いは、渋皮の色。

右はまぁまぁOKで、おすそ分け用。

左は渋皮が黒っぽいので、皮が固かったり、

栗がどこか虫食っていたり、変質していたりします。

経験上で分けています。

作り始めの見た目ではわからないんですよね。

 

左は主に母用です(笑)

この他に割れてしまったのと一緒に大量に母に引き取ってもらいます。

 

うちでは1粒ずつホイルに包んで冷凍保存します。

母が言うには、1年経っても食べられるそうですが、

通常では3か月くらいと言われています。

 

 

ちなみに、渋皮煮は皮を傷つけてしまった方が栗に味が染みて、

美味しくなります。ですが、途中で煮崩れることが多いのは確かです。

 

 

私は栗と相性が悪く、好きなのになぜか食べられないので

作る専門です。

 

お店をしたいと考えていましたが、真面目に考えた時に、

出来損ないの量が半端ないので、

お店は断念しました。

 

栗米屋という栗とクリオネをかけたかわいいデザインと屋号を

イメージしていたのですが、小さな夢で終わってしまいました。ざんねん。

 

さておき、今年も第1弾ができたので、知人、恩人に配りますよ~。