「活性酸素」という言葉は、最近マスコミなどでよく聞かれるようになってきました。活性酸素の持つ有害な働きが明らかにされると共に、これを阻止しようとする研究が盛んになってきています。

 地球上の生物のほとんどが酸素なしでは生きていけないことは周知の通りですが、生物が酸素を利用する時、体内に活性酸素が発生してしまうんです。活性酸素とは不安定な電子をもち、化学反応性が高い酸素分子であり、生体組織を酸化してしまう作用をもつことから有害視されています。

 本来、生物は地上生活を始めた太古から、この活性酸素に対する防御機能を体内にもっており、ビタミンCやビタミンEなどの栄養素のほか、スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼなどの酵素 がその役割を担っています。しかし、激しい運動や長時間の日光浴などにより活性酸素が大量に発生してしまうと、これらの防御機構だけでは活性酸素を消去しきれない状態となってしまうんです。これによって皮膚 のタンパク質が酸化されると、シミや皺の原因となり、核酸が酸化されれば癌の引き金になる。また脂質が酸化されると動脈硬化症と関係してくることなどが指摘されています。

 生体のもつ活性酸素に対する防御機能を高めるには、ビタミンやミネラル を豊富に含む野菜や果物 の摂取が望ましいが、日常的に困難な場合、健康食品の活用が便利です。

 最近、赤ワインに多く含まれるポリフェノールが抗酸化 物質として良く知られるようになりましたが、実は身近なところでも、お茶 のカテキンや柑橘類のフラボノイド、トマト のリコピンなど種々存在しています。健康食品に使用される抗酸化物質はこれらの食品由来の物質を濃縮・精製したもので、利便性のあるサプリメントとして多忙な現代人にはにんきが高いです。

 バランスの良い食事、規則正しい生活の心がけが最も重要ですが、様々な疾病や老化 現象の予防という観点からも、抗酸化食品は未来型サプリメントとしてその必要性が高まるものと期待されています。