[東京 17日 ロイター] 東京外為市場午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点から横ばいの80円前半。手掛かり材料に欠け、狭い範囲での値動きに終始した。ユーロも小動き。一方、上海総合指数<.SSEC>の上昇で豪ドルは対円、対ドルで強含んだ。
<ドル/円、一段高には「勢い」不足>
ドル/円は午前7時以降、午後3時まで上下14銭という狭い範囲での値動きに終始した。足元で下値を切り上げているため、「マーケットは(ドル/円に)ブルになっている。ただ、上を狙う姿勢はあっても勢いがない」(大手邦銀)との声が出ていた。この大手邦銀の関係者によれば、80.60—80.70円にはストップロスが控えているが、同水準には輸出企業の売りも観測され、売買注文がきっ抗。今晩も複数の米経済指標が発表されるが、「ファンダメンタルズのみではドル/円の一段高は想定しにくい。不透明要因を抱えたままで、相場のムードががらりと変わることは難しいだろう」(同)という。
一方、別の大手邦銀の関係者は、ギリシャの再選挙を通過するまでドル/円は方向感が出にくいとの見方を示した。このところ市場予想を上回る米経済指標が目立ち、下値は切り上がっているものの、「欧州情勢の影響で米金利は上がりにくく、ドル/円の上値を抑えている」(後出の大手邦銀)。リスクオフモードが強まれば、再び80円を割り込む展開もあり得るとみている。テクニカル面では「ドル/円が日足一目均衡表の雲入りを果たしたことは大きいが、横ばいになっている基準線(80.60円)を上回るのは容易ではない」(同)という。前日には一部の海外勢が日銀の追加緩和を意識して円売りに動いただけに、「追加緩和をめぐるニュースフロー次第ではドル/円が上昇する可能性もある。ただ、日銀は4月に追加緩和を決めたばかりで、さらなる緩和策を催促している相場つきではない」(同)という。日銀は来週22日から金融政策決定会合を開催する。
ユーロも対円、対ドルで小動き。市場では「ギリシャ再選挙まで時間ができた。いままで売られてきただけに、これ以上ユーロ売りが進むリスクは後退している。ただ、ニュースのヘッドラインに振らされるリスクは残っており、ポジションを減らしておきたい参加者もある」(前出の大手邦銀)との見方が出ていた。
<中国当局の矢継ぎ早の対応で中国株高、豪ドル強含み>
きょうは、豪ドルが対円、対ドルで強含んだ。中国では上海総合指数が騰勢を強め、株価敏感通貨である豪ドルがサポートされた。
中国国務院(内閣に相当)は16日、消費促進策の一環として省エネ家電製品などに補助金を支給すると発表した。12日には中国人民銀行が預金準備率の引き下げを発表しているが、ここにきて当局が中国景気サポートのために矢継ぎ早に施策を打ち出しており、中国株浮揚につながった。
大手証券では、当局が国内消費を伸ばすべく第3弾の対策を打ち出してくるシナリオも想定しうるとした。また「これまで不動産投資を抑制してきたが、ブレーキを若干弱めてくる可能性もある」という。この大手証券では、来月も0.5%の預金準備率引き下げが行われる可能性があるとみていた。
国内証券のエコノミストは、今回の補助金制度だけでは「中国経済のダウントレンドをひっくり返すには物足りない」と指摘。4月分の経済指標が振るわなかったことで、中国の4—6月の実質国内総生産(GDP)の対前年伸び率が「7%台に落ち込むのは確実な情勢」とした(1—3月は前年比プラス8.1%)。その上で「ポイントは7%台前半か後半かだ。4—6月のGDP成長率が前年比7%台前半になれば、(当局の年間目標7.5%を下回ることになり)当局はインフラ投資を活発化させるだろう」と話した。年後半は中国の消費者物価指数(CPI)の前年比伸び率がプラス1—2%台まで縮小すると見込まれるため、年後半には利下げも視野に入るという。
(ロイターニュース 和田崇彦)
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