本人が肝臓移植に同意したら次は生体肝移植のドナー候補探しの為の身内探しになります。
初診日に現存者の家系図を書いて、年齢職業体重情報を加えて誰が候補になるか。
ドナーになったら、入院検査で1ヶ月取られるし、
腹に傷が残るし、その間喫煙飲酒せず、
健康な肝臓栽培器みたいに扱われ、
自由が奪われてしまう。
ましてやその方の家族に不在の苦しみを与えてしまう。もしものことも無きにしも非ずだし。
ドナーに得な事など無い中、
4つ下の弟が仕事が休み易い時期さえ合わせてくれればと、嫁も小さい子供もいるのに勝手出てくれました。
小さい時いじめてたのに、もう一生頭が上がらない。
母ちゃん、最高の弟を産んでくれててありがとう
あとは検査で私と弟が適合すれば移植GO!!
でこの話はお終いのはずなんですが。
69歳の153cm推定70kg
(自己申告50kg)の母が、
妙に私に肝臓をあげたがっていまして。
いや、わかります。親として必死なのは。
私も完全な肝臓の親だったらあげたい。
でも、母。69歳。
ドナー候補は65歳までだそうで。
そして、母。見た感じからわかるほどの
「脂肪肝」だそうで。
内科の主治医の時から、「お母さんは無理だよ。」
と3ベンくらい言われてて。
説明会の日にまた、
「私の肝臓をあげたい。」
膵臓を食べたい映画でもそんな連呼して無かったと思いますが、熱い鹿児島の女は訴え続ける。
肝臓移植外科医の私よりサバサバした
担当医にも言われました。
「お母さんは肥満だよ。」
頑なに私は筋肉量が多いから体重量っても意味ない。
太ってない、筋肉だ!と言い張っていた母が
肥満というワードに言葉を失って流石にあんぐり。
普通の娘なら「お母さん、私の為にありがとう!先生もそこまで言う事無いじゃないっ!母は必死なんだから!大映ドラマぐらい溜めた言い方で、
「残念ながら、娘さんへは提供できないんです!お気持ちはわかりますが、お母様諦めて下さい!」
ぐらい言ってよ!」
と思うところかもしれませんが、
本当にめげないしつこい母なので、
心から先生に「ナイッスー」と拍手を送りました。またコントのような良い間だったんです。
新作落語の時に入れたいやり取り。
でも未だ「私の肝臓をあげたい。」と言ってる母。
とにかく私は幸せ者である事は間違いない。
家族よありがとう