私は父の腕に引かれ、ゆっくり歩き出した。
前方のずっと先には、怜さんの姿が見える。
白いタキシードに身を包み、こちらを見つめている。
讃美歌の歌声の中、ようやく怜さんの元へ辿り着くと、父は私の手を怜さんにそっと渡した。
ベールの中からは、緊張しながらも、怜さんが微笑んでいる姿が見える。
そして怜さんと二人、神父さんの前に並んだ。
神父さんが「誓い」を読み上げる中、私はドキドキが止まらなかった。
神様にまた罰を与えられるんじゃないかと、その事ばかりが気になった。
でも、隣に立つ怜さんの存在が、そんな思いを半減させてくれるようで、嬉しくもあり、頼もしくもあり。
私の頭の中は、不思議な感覚に捉われていた。
「では誓いのキスを──」
怜さんと向かい合わせになり、怜さんの大きな手が私の肩を掴む。
怜さんとキス・・・。
確かに形式上避けては通れないけど・・・・。
思わず顔が硬直し、ゴクリと生唾を飲み込む私。
これから起こることに緊張が隠せない。
怜さんはゆっくりとベールを持ち上げ、私のガチガチに固まった顔とご対面。
それなのに怜さんは吹き出すこともなく、「アヤ姫、きれいだよ」と、優しく微笑んでくれた。