ボディーガードなんて大袈裟過ぎるよ。
こうでもしなければ、ホストの夫は妻の身を守ることができないのだろうか?
それとも私は、自分の置かれた立場を軽く考え過ぎているだけなのだろうか?
ため息をつきながら、怜さんをそっと見つめた。
「これでとりあえず安心、安心!リョータは元ホスト。俺たちはラビリンスでホスト仲間だったんだ。こいつ、こう見えて腕っぷしはかなりのものなんだ」
ふぅ~ん、リョータくんってホストだったんだ。
どうりでこの笑顔、決まっている訳だ。
「ははははっ。いえ、それ程でも」
そう言ってリョータ君は、後ろを振り返った姿勢のまま、後部座席にいる私たちに満面の笑みを向け続けた。
確かにリョータ君の笑顔って、ホストだったらさぞモテただろうなって思える。
私だってさっき、彼の笑顔に一瞬ドキッとしてしまったのだから。
怜さんとは違うカッコ良さがリョータ君にはあるって思う。
やっぱホストってすごい!!
そんなことを思っていると、車はなぜか怜さんのマンション駐車場に到着していた。
って私、これから仕事なんですけど?
慌てる私を置いて、3人は車から降り始めた。
ちょ、ちょっと~~~何!?
すると怜さんが身を屈め、車の中を覗き込みながら、
「じゃあリョータ、後は頼んだぞ。ではアヤ姫、行ってらっしゃーい」
と、手を振りながらドアをしめた。
えっ、えっ!!
驚いているのも束の間、すぐに運転席にリョータ君が乗り込んできて、
「ここからは俺が責任を持って会社までお送りしますから」と、シートベルトを締めながら言った。
窓の外を見ると、男二人が手を振って私を見送っているのが見える。
何だか大袈裟なことになってきちゃったな・・・。
私は顔を少し引きつらせながら、二人に手を振り返した。
そんな私を乗せた車は、会社に向け爽快に走り出した。