だからよ。
怜さんの心の中には、私に対する愛情の欠片なんて一つもないってことくらい、嫌って言う程思い知らされたわよ。
まあ最初っからそんな感情、一切抜きって話だったんだけど。
でも、勝手に私の方には芽生えちゃった訳で。
だからってそれを相手にまで求めてしまうのは、自分勝手すぎるよね。
事実はこんなもの。
結局私たちは、二人が羨ましがるような甘い恋人関係でも、婚約者同士でもない。
ただの契約関係?
今の私たちを結びつけているのは、借金と偽装結婚でしかなくて。
悲しいかな、これが真実。
でもこの事態を招いたのは紛れもなくこの私。
だからこの苦しみに耐え続けていかなければならないのよね。
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「────まあそう言う事だから。今まで黙っててごめんね」
私はさっさと話を切り上げようと言葉をまとめた。
実際、これ以上話す事なんて何もないし。
なのにチカちゃんたちは、
「もう、照れちゃってぇ~~」
と、この期に及んでも聞く耳持たずって感じだ。
今のこの二人には、何を言っても誤解しか生まないようだ。
笑って誤魔化してみても事は同じ。
「はいはい。照れ臭いんですね。わかりました、わかりましたよ!」
と、言葉を捻じ曲げられてとられてしまう。
やれやれ・・・・。
ため息交じりに二人に視線を向けると、
「けど本当にアヤちゃんが無事で良かったです。ここはアヤちゃんの幸せそうな顔に免じて許してあげます」
チカちゃんから、こんな返事が返ってきた。
えっ、私の顔が幸せそうに見える!?
私は思わずずっと顔を押さえてみた。
嘘よ!だって私自身、幸せだって自覚、全くないんだから!!
むしろその逆!幸せになりたいって、いつも切望してるんだから!
それなのに──
「私も幸せになりた~い」
「ねーーーっ!!」
そんな私をよそに、目の前で二人は目を輝かせながら、楽しそうに意気投合していた。