だからよ。


怜さんの心の中には、私に対する愛情の欠片なんて一つもないってことくらい、嫌って言う程思い知らされたわよ。


まあ最初っからそんな感情、一切抜きって話だったんだけど。


でも、勝手に私の方には芽生えちゃった訳で。


だからってそれを相手にまで求めてしまうのは、自分勝手すぎるよね。


事実はこんなもの。


結局私たちは、二人が羨ましがるような甘い恋人関係でも、婚約者同士でもない。


ただの契約関係?


今の私たちを結びつけているのは、借金と偽装結婚でしかなくて。


悲しいかな、これが真実。


でもこの事態を招いたのは紛れもなくこの私。


だからこの苦しみに耐え続けていかなければならないのよね。


****


「────まあそう言う事だから。今まで黙っててごめんね」


私はさっさと話を切り上げようと言葉をまとめた。


実際、これ以上話す事なんて何もないし。


なのにチカちゃんたちは、


「もう、照れちゃってぇ~~」


と、この期に及んでも聞く耳持たずって感じだ。


今のこの二人には、何を言っても誤解しか生まないようだ。


笑って誤魔化してみても事は同じ。


「はいはい。照れ臭いんですね。わかりました、わかりましたよ!」


と、言葉を捻じ曲げられてとられてしまう。


やれやれ・・・・。


ため息交じりに二人に視線を向けると、


「けど本当にアヤちゃんが無事で良かったです。ここはアヤちゃんの幸せそうな顔に免じて許してあげます」


チカちゃんから、こんな返事が返ってきた。


えっ、私の顔が幸せそうに見える!?


私は思わずずっと顔を押さえてみた。


嘘よ!だって私自身、幸せだって自覚、全くないんだから!!


むしろその逆!幸せになりたいって、いつも切望してるんだから!


それなのに──


「私も幸せになりた~い」


「ねーーーっ!!」


そんな私をよそに、目の前で二人は目を輝かせながら、楽しそうに意気投合していた。